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こちらで確認させていただきました
丁寧なはずなのに、なぜかモヤっとする。
実はこれ、「させていただく」そのものが悪いのではありません。
問題なのは――
使いすぎと、条件を無視した使用なんです。
結論|「させていただく」は間違いなのか?
結論から言います。
👉 「させていただく」は正しい敬語です。
- 誤用ではない
- マナー違反でもない
- 辞書にも正式に載っている
ただし、使っていい条件がかなり厳しい。
その条件を無視すると、一気に「過剰敬語」「違和感のある日本語」になります。
「させていただく」の本来の意味とは?
「させていただく」は、次の2つが同時に成立したときに使う表現です。
正しい使用条件(超重要)
- 相手の許可・承認がある
- その行為によって自分が恩恵を受ける
この2点が揃って、初めて成立します。
正しい例
- お時間をいただいて説明させていただきます
- ご承諾の上で、担当させていただきます
👉 相手の許可+自分の立場
両方が成立しています。
なぜ「使いすぎ」と言われるようになったのか
ビジネス敬語の“安全装置”化
平成以降の職場では、
- 失礼を避けたい
- クレームを避けたい
- 角を立てたくない
という心理から、
👉 とりあえず「させていただく」を付ける
という使い方が広まりました。
その結果、
- 本来不要な場面
- 許可も恩恵もない行為
にも多用されるようになったんです。
実は違和感が出るNGパターン
NG①:許可が不要な行為
❌「資料を確認させていただきました」
👉 確認は自分の業務
👉 許可も恩恵もない
⭕「資料を確認しました」
NG②:相手の利益になる行為
❌「こちらで対応させていただきます」
👉 対応するのは相手のため
⭕「こちらで対応します」
NG③:単なる事実報告
❌「本日出社させていただいております」
👉 出社は自分の行動
⭕「本日出社しております」
なぜ年配世代ほど違和感を覚えるのか
昭和・平成初期の敬語感覚
上の世代では、
- 敬語は必要な分だけ使う
- 過剰=不自然
という価値観が強い。
そのため、
何でも「させていただく」
文章を見ると、
- へりくだりすぎ
- 責任逃れっぽい
- くどい
と感じやすいんです。
若い世代が多用する理由
「失礼にならない」最強カード
若い世代にとって、
- させていただく
= 一番安全
= 指摘されにくい
という認識があります。
つまりこれは、
👉 日本語能力の低下ではなく、防衛反応
なんです。
正しく使い分けるための判断基準
迷ったら、この3つをチェックしてください。
チェックリスト
- 相手の許可がある?
- その行為で自分が得をしてる?
- 言わなくても失礼にならない?
👉 1つでもNOなら、使わない方が自然
「させていただく」を使わなくても丁寧な言い方
実は、
「させていただく」を外しても
十分丁寧な表現はあります。
置き換え例
- 確認させていただきます → 確認します
- 対応させていただきます → 対応いたします
- 送付させていただきます → 送付いたします
👉 「いたします」だけで十分な場面は多いです。
よくある質問(FAQ)
Q1:「させていただく」は敬語として間違い?
→ 間違いではありません。
条件付きで正しい敬語です。
Q2:ビジネスでは使わない方がいい?
→ いいえ。
正しい場面では非常に丁寧で有効です。
Q3:使うと印象は悪くなる?
→ 使いすぎると、くどく・回りくどく感じられます。
まとめ|「させていただく」は“奥の手”
- 正しい敬語
- ただし使用条件が厳しい
- 乱用すると違和感が出る
- 丁寧さ=多用ではない
「させていただく」は、常用する言葉ではありません。
ここぞという場面で使うからこそ、本来の丁寧さが生きます。
次に文章を書くとき、一度だけ自問してみてください。
本当に「させていただく」必要ある?
それだけで、日本語の印象はかなり変わります。
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