🍵 「味がある人」って、どんな味?
「味がある人だね」と言われると、なんだか褒められているようでうれしいですよね。
でもよく考えると、「味」っていったい何のこと? 性格?雰囲気?話し方?
実はこの言葉、“完璧じゃない人”を褒める日本語なんです。
ちょっと不器用だったり、クセがある人ほど“味がある”と言われる理由──その秘密をひもといていきましょう。
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🧂 「味がある」とは?
本来の意味は「深みがある」「奥行きがある」
「味がある」は、江戸時代の茶道や書画の世界で生まれた言葉です。
もともとは“時間をかけて味わうほどに良さが出る”という意味。
派手ではないけれど、何度見ても・接しても飽きない人や物を指します。
「完璧」より「クセ」を愛でる言葉
つまり、“整いすぎてない魅力”をほめる日本語なんです。
少し不器用でも、個性や人間味を感じる──そんな人が「味がある人」。
逆に、完璧でスキのない人には使わないのが面白いところです。
🍶 なぜ“欠点”が魅力になるの?
「味」とは“にじみ出る個性”
食べ物の“味”も、同じ材料でも人によって違いますよね。
「味がある人」もそれと同じ。
経験や性格、言葉づかいなどがにじみ出る人を指します。
心理学的にも納得の理由
心理学では、少し不完全なものに惹かれることを「プラットフォール効果」と呼びます。
人は“完璧すぎるより、ちょっと抜けてる方に親近感を覚える”んです。
まさに「味がある人」=“人間らしい人”というわけですね。
☕ 「味がある人」の使い方と例文
会話での使い方
- 「あの人、派手じゃないけど味があるよね」
- 「年を重ねるほど味が出てきた」
どちらも“深み・魅力が増した”という肯定的な意味です。
注意点:「味がない」は単なる否定
逆の「味がない人」は、残念ながら褒め言葉ではありません。
「印象が薄い」「特徴がない」というニュアンスになります。
同じ「味」でも、“ある・ない”で評価が真逆になる点に注意!
🌿 「味がある」をもっと味わう豆知識
言葉の仲間たち
似た表現に「渋い人」「趣がある」などがあります。
これらもすべて、“派手さより内面の深さ”を褒める言葉です。
外国語にはない日本語の感覚
英語では「tasteful(上品)」などが近いですが、「味がある人」にぴったりの単語は存在しません。
つまり、人の“深み”を褒める文化は日本独特なんです。
✅ まとめ:味わうように、人を見よう
- 「味がある人」は欠点込みで魅力的な人
- 完璧より“深み”を感じる人を指す
- 不器用でも、誠実さや温かみがある人こそ“味がある”
🟨 覚えておきたい一言:「味がある」とは、時間をかけて好きになる人のこと。
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