6月から7月にかけての雨の季節を「梅雨(つゆ)」って呼びますよね。
でも、梅の花って2〜3月に咲くのに、なんで6月の雨に「梅」という字を使うんでしょうか?
実は、この「梅」の字には、ちょっと意外な秘密が隠されていたんです。
梅雨の「梅」って、花の梅とは違うの?
梅雨の時期って、梅の花はとっくに散って、梅の実がなる季節ですよね。
でも、なんで雨の季節に「梅」という字が使われているんでしょうか?
実は、この謎を解くには中国まで遡る必要があるんです。
そして、そこには「カビ」という、ちょっと意外な登場人物が関わっていたんですよ。
なぜ「梅」という字が使われるのか?主な理由
理由1:最初は「黴雨(ばいう)」だった
実は、もともとは「梅雨」ではなく「黴雨(ばいう)」と書かれていたんです。
「黴」というのは「カビ」のことですね。
6月〜7月は湿度が高くて、カビが生えやすい時期でしょう?
だから中国では「カビが生える雨の季節」という意味で「黴雨」と呼んでいたんです。
でも、「カビの雨」って字面を見ると、なんだかじめじめしてて気分が悪くなりませんか?
理由2:同じ読み方で縁起の良い「梅」に変更
そこで、同じ「ばいう」と読める漢字の中から、もっと季節にふさわしい「梅」の字を選んだんです。
6月〜7月は、確かに梅の実が熟す時期でもあります。
だから「梅の実が熟す雨の季節」という意味も込めて、「梅雨」という字になったんですね。
これって、同じ音でも字を変えることで、イメージがガラッと変わる良い例ですよね。
理由3:日本では「つゆ」という読み方が定着
中国から「梅雨(ばいう)」という言葉が日本に伝わったとき、日本人は独自の読み方を生み出しました。
それが「つゆ」です。
「つゆ」の由来にも諸説ありますが、雨で植物に「露(つゆ)」がたくさんつく季節だから、という説が有力なんです。
世界各国では梅雨をなんて呼ぶの?
梅雨は東アジア特有の気象現象なので、他の地域にはないんです。
でも、同じような雨季を持つ国での呼び方も面白いんですよ。
中国では今でも「梅雨(メイユー)」と呼びます。
韓国では「長霖(チャンマ)」と言って、「長く降り続く雨」という意味なんです。
インドなどの「モンスーン」とは違って、東アジアの梅雨は「しとしと長く降る」という特徴があるので、各国ともその特徴を表した名前をつけているんですね。
関連する面白い豆知識
豆知識1:地域によって違う梅雨の呼び方
日本国内でも、地域によって梅雨の呼び方が違うんです。
沖縄では「小満芒種(スーマンボースー)」、鹿児島の奄美では「ながし」って呼ぶんですよ。
これらの呼び方も、それぞれの地域の特色を表していて面白いですよね。
豆知識2:梅雨には別名がいっぱい
梅雨には他にもたくさんの別名があります。
「五月雨(さみだれ)」「麦雨(ばくう)」「黄梅の雨(こうばいのあめ)」など、どれも季節の特徴を表した美しい名前なんです。
昔の人は、同じ現象でもいろんな角度から名前をつけて楽しんでいたんですね。
豆知識3:梅と雨の本当の関係
梅の実は、実は梅雨の雨がないと大きくならないんです。
この時期の雨は、梅にとって「恵みの雨」なんですね。
だから「梅の雨」という字は、カビから変わっただけでなく、本当に梅と雨の深い関係も表しているんです。
まとめ
梅雨の「梅」は、もともと「黴(カビ)」だったのを、同じ読み方でより季節にふさわしい字に変えたものだったんですね。
「カビの雨」から「梅の雨」への変化は、同じ現象でも表現次第でイメージが全然変わることを教えてくれます。
昔の人の工夫とセンスって、すごいと思いませんか?
今度梅雨の時期になったら、「もともとはカビの季節って呼ばれてたんだよな」って思い出してみてください。
そして次に気になるのは「なんで日本だけ梅雨があるの?」ということかもしれませんね。
実は、これにも地球の大気の流れという面白い理由があるんですよ。