6月下旬から7月上旬にかけて、多くの会社で夏のボーナスが支給されますよね。
でも、なんで7月なんでしょうか？「夏だから」というのは分かるけど、4月や5月じゃダメなのかな？
実は、この時期にボーナスが出るのには、江戸時代から続く深い理由があったんです。
夏のボーナスって、いつ頃から始まったの？
現在のようなボーナス制度は、明治時代に始まったとされています。
でも、その原型になったのは、江戸時代の「お盆玉」という習慣だったんです。
「お盆玉」って聞いたことありますか？
これは、商人が奉公人（今でいう従業員）に、お盆の時期に特別な手当を渡す習慣だったんですよ。
なぜ7月なのか？主な理由
理由1：江戸時代の「お盆準備」が始まり
江戸時代、お盆は旧暦の7月15日（現在の8月中旬頃）でした。
でも、お盆の準備は新暦の7月頃から始める必要があったんです。
奉公人たちは、この時期に故郷に帰ってお盆の準備をしたり、家族にお金を送ったりする必要がありました。
そこで商人たちは、7月頃に「お盆玉」という特別手当を支給したんです。
これが、現在の7月ボーナスの原型なんですね。
理由2：商売の区切りがちょうど良い時期
江戸時代の商売は、だいたい半年ごとに区切りをつけていました。
お正月から半年経った7月頃は、ちょうど商売の成果を振り返る良いタイミングだったんです。
現在の会社でも、4月から始まる年度の第1四半期（4〜6月）が終わる7月は、業績を評価するのに適した時期なんですよね。
理由3：夏休み前の「お楽しみ」タイミング
7月は、多くの人にとって夏休み前の時期です。
旅行の計画を立てたり、夏の買い物をしたりする時期なので、この時期にボーナスがもらえると嬉しいですよね。
これは偶然ではなく、「従業員に夏を楽しんでもらいたい」という企業の配慮でもあるんです。
世界各国のボーナス事情はどうなの？
面白いことに、世界各国でボーナスの時期は全然違うんです。
ヨーロッパでは、クリスマス前の12月にボーナスを出す国が多いです。
これは「クリスマス・ボーナス」と呼ばれています。
韓国では、旧正月（1〜2月）と秋夕（チュソク、9〜10月）の年2回ボーナスが出ることが多いんです。
これも、伝統的な行事に合わせているんですね。
関連する面白い豆知識
豆知識1：江戸時代の奉公人はボーナス以外にも特典があった
江戸時代の奉公人は、お盆玉以外にも「藪入り」という特別な休暇がもらえました。
これは年に2回（1月16日と7月16日）、実家に帰ることができる休日だったんです。
現在の有給休暇の原型とも言えますね。
昔から、働く人を大切にする文化があったんです。
豆知識2：ボーナスの金額は江戸時代から「月給の○倍」
江戸時代のお盆玉は、だいたい普段の給料の1〜2ヶ月分だったそうです。
現在のボーナスも、だいたい月給の1〜3ヶ月分が相場ですよね。
この「月給の○倍」という考え方は、江戸時代から変わっていないんです。
豆知識3：公務員のボーナス時期が基準になっている
現在、多くの企業が7月と12月にボーナスを出すのは、国家公務員のボーナス支給時期に合わせているからなんです。
国家公務員のボーナスは、夏が6月30日、冬が12月10日と法律で決まっています。
多くの企業が、これを参考にして支給時期を決めているんですね。
まとめ
夏のボーナスが7月なのは、江戸時代のお盆準備のための「お盆玉」が始まりだったんですね。
商売の区切り、季節の行事、従業員の生活リズム、すべてを考慮した結果が、この時期のボーナス支給だったんです。
現在でも、その考え方は変わっていないということですね。
今度ボーナスをもらったら、「江戸時代の奉公人も、同じように喜んでいたのかな」って想像してみてください。
そして次に気になるのは「なんで冬のボーナスは12月なの？」ということかもしれませんね。
実は、これにも年末年始という特別な理由があるんですよ。
