誰かがあくびをしているのを見ると、自分もつられてあくびが出ちゃうことってありますよね。
見ているだけじゃなくて、あくびの話をしているだけでも出てきませんか?
(今まさに、あくびが出そうになってる人もいるかも)
実は、このあくびがうつる現象には、人間の脳の不思議な仕組みが関わっていたんです。
あくびがうつるって、みんな経験してるの?
あくびがうつる現象は、ほとんどの人が経験しています。
研究によると、約6〜7割の人があくびを見ると自分もあくびが出るそうです。
面白いのは、あくびの「音」を聞いただけでも、あくびの「文字」を読んだだけでも、うつってしまう人がいることなんです。
今、この文章を読んでいるあなたも、もしかして…?
なぜあくびがうつるのか?主な理由
理由1:ミラーニューロンという特別な脳細胞
人間の脳には「ミラーニューロン」という、他人の行動を真似する特別な脳細胞があります。
これは「鏡の神経細胞」とも呼ばれていて、他人の動作を見ると、自分も同じ動作をしたくなる仕組みなんです。
あくびを見ると、この細胞が「あ、あくびだ!自分もやろう」と反応して、無意識にあくびが出ちゃうんですね。
理由2:共感能力の高さを表している
あくびがうつりやすい人は、他人の気持ちを理解する「共感能力」が高いと言われています。
相手の状態を敏感に感じ取って、自分も同じ状態になろうとするんです。
これは、人間が群れで生活していた頃の名残りで、仲間と同じ状態でいることで安全を保っていたんですね。
理由3:脳の温度調節機能
あくびには、脳の温度を下げる役割があります。あくびをすると、冷たい空気が鼻や口から入って、脳を冷やしてくれるんです。
誰かがあくびをしているのを見ると、「あ、暑いのかな?疲れてるのかな?」と脳が判断して、自分も同じように脳を冷やそうとするのかもしれません。
世界各国のあくび事情はどうなの?
面白いことに、あくびがうつる現象は世界共通なんです。どの国の人でも、文化に関係なく、あくびを見るとうつってしまいます。
ただし、あくびに対する考え方は国によって違います。
日本では「失礼」とされることが多いですが、一部の国では「リラックスしている証拠」として良い意味に捉えられることもあるんです。
また、動物の中では、人間に近いチンパンジーや犬でも、あくびがうつることが確認されているんですよ。
関連する面白い豆知識
豆知識1:あくびがうつりにくい人もいる
実は、あくびがうつりにくい人も存在します。
自閉症スペクトラムの人や、サイコパス傾向のある人は、あくびがうつりにくいという研究結果があります。
これは、共感能力やミラーニューロンの働きが関係しているからだと考えられています。
豆知識2:年齢によってうつりやすさが変わる
あくびがうつる現象は、だいたい4〜5歳頃から始まります。
赤ちゃんはあくびを見ても、まだうつらないんです。
逆に、年齢を重ねるとだんだんうつりにくくなることもあります。
脳の働きの変化が関係しているんですね。
豆知識3:あくびの回数で眠気がわかる?
一般的に、あくびの回数が多いほど眠気が強いとされています。
でも、あくびは眠気以外にも、退屈さ、ストレス、脳の酸素不足などでも起こります。
「あくび=眠い」とは限らないんですね。集中しているときや、緊張しているときにも出ることがあります。
まとめ
あくびがうつるのは、人間の脳にある「他人と同調しようとする」本能的な仕組みだったんですね。
ミラーニューロンによる動作の模倣、共感能力の表れ、そして集団生活での生存戦略。
どれも、人間が社会的な動物として進化してきた証拠なんです。
今度誰かのあくびを見てうつってしまったら、「これは人間らしい、自然な反応なんだな」って思ってみてください。
そして次に気になるのは「なんで眠いときにあくびが出るの?」ということかもしれませんね。
実は、あくび自体にも脳を活性化させる大切な役割があるんですよ。