撫子色（なでしこいろ）の意味・由来と名前に込めるイメージ

美しい撫子の花を見て「なんて上品な撫子色なんだろう」と思ったことはありませんか？

撫子色（なでしこいろ）とは、撫子の花のような上品で美しいピンク色のことで、日本女性の理想像「大和撫子」にも表現される優雅さと強さを象徴する伝統色です。

こんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか？

この記事でわかることは以下の3点です：

3分でサクッと読めます！

この記事は、日本の伝統色に興味がある方、名前の意味を知りたい方、日本女性の美意識について知りたい方におすすめです。

読み終わる頃には、きっと撫子の花の美しさがより特別に感じられますよ。

そもそも撫子色とは？

撫子色（なでしこいろ）とは、撫子の花のような上品で淡いピンク色のことです。

ざっくり言うと、白に少量の紅を加えたような、控えめでありながらも美しく印象的なピンク色と表現できます。

色彩学的には、赤色に白を多く加えた淡い色相で、彩度は低く、明度は高い優雅で上品な色を指します。

RGB値では（233, 180, 189）程度の数値で表現され、見る人に優雅さと清楚な美しさを感じさせる色です。

撫子は夏から秋にかけて咲く美しい花で、細い花びらが繊細で上品な印象を与えます。

その淡いピンク色の花は、派手すぎず地味すぎない絶妙な美しさを持ち、古来より日本人に愛されてきました。

「大和撫子」は日本女性の理想像を表現する言葉で、撫子の花のように「美しく、上品で、しかし芯は強い」女性を指します。

この理想的な女性像と撫子の花の色が結びついて、「撫子色」という美しい色名が生まれたのです。

撫子は平安時代の「秋の七草」の一つとして親しまれ、『源氏物語』にも「撫子の君」という美しい女性が登場します。

この時代から撫子の花とその色は、理想的な女性の美しさを表現する象徴として使われてきました。

撫子色は多くの文学作品で「女性らしい美しさ」「上品さ」「清楚さ」の象徴として使われています。

清少納言の『枕草子』では「草の花は撫子」として美しさを表現し、現代文学でも「撫子色のドレス」「撫子色の頬」として優雅な美しさを描写します。

現代でも女性らしい美しさを表現する色として重用されています。

日本には多くの撫子の種類があります：

現代でも撫子色は様々な場面で活用されています。

春の桜シーズンのファッション、女性向けの化粧品、和菓子、インテリアデザイン、さらには現代アートまで、女性らしい優雅さを表現する色として欠かせない存在です。

お花見で撫子色の話題を出すと、「撫子色って大和撫子という理想的な女性像を表現した日本独特の美しい色なんですよ」と話せば、日本文化への深い理解と美的感性を示せること間違いなしです！

撫子色と混同されやすいピンク系の色を比較してみましょう：

色名	特徴	由来・イメージ	使い分け
撫子色	上品な淡いピンク	撫子の花・大和撫子・優雅	上品さ・女性らしさを表現
桜色	やや白いピンク	桜の花・春・美しさ	春らしさ・美しさを表現
桃色	明るいピンク	桃の花・可愛らしさ・若さ	可愛らしさ・若々しさを表現
薔薇色	鮮やかなピンク	薔薇の花・華やか・情熱	華やかさ・情熱を表現