春分の日と秋分の日、どちらも「昼と夜の長さがほぼ等しくなる日」ですが、実は祝日としての意味や由来がまったく違うのをご存じですか?
春分の日は「自然や生命をたたえる日」、秋分の日は「祖先をうやまい、亡くなった人々をしのぶ日」。
この記事では、両者の違い・共通点・お彼岸との関係まで、図解感覚でスッキリ理解できるように解説します。
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春分の日と秋分の日とは
春分の日
日付: 3月20日または21日頃
祝日の趣旨: 自然をたたえ、生物をいつくしむ
春分の日は、太陽が春分点を通過する日で、天文学的に「昼と夜の長さがほぼ等しくなる日」です。
この日を境に、昼の時間が夜より長くなっていきます。
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【2026年春分の日】いつ?意味・由来・連休パターンまで完全解説
秋分の日
日付: 9月22日または23日頃
祝日の趣旨: 祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ
秋分の日は、太陽が秋分点を通過する日で、春分の日と同様に「昼と夜の長さがほぼ等しくなる日」です。
この日を境に、夜の時間が昼より長くなっていきます。
▶ 秋分の日をもっと詳しく知りたい方はこちら
【2026年秋分の日】いつ?意味・由来・連休パターンまで完全解説
基本情報比較表
項目 | 春分の日 | 秋分の日 |
---|---|---|
時期 | 3月20日または21日頃 | 9月22日または23日頃 |
祝日の趣旨 | 自然をたたえ、生物をいつくしむ | 祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ |
制定年 | 1948年 | 1948年 |
戦前の名称 | 春季皇霊祭 | 秋季皇霊祭 |
お彼岸 | 春のお彼岸の中日 | 秋のお彼岸の中日 |
天文現象 | 春分点通過 | 秋分点通過 |
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春分の日と秋分の日の共通点
1. 天文学的に決定される祝日
春分の日と秋分の日は、日本の祝日の中で唯一、天文学的な計算によって日付が決まります。
決定方法:
- 前年の2月に国立天文台が「暦要項」を発表
- 太陽が春分点・秋分点を通過する日を計算
- 約80年先まで予測可能だが、公式には毎年発表
他の祝日は法律で日付が固定されているか、「○月第○月曜日」のように決まっていますが、この2つだけは天文現象に基づいています。
2. 昼と夜の長さがほぼ等しい
天文学的な意味:
- 春分: 太陽が天の赤道を南から北へ横切る瞬間
- 秋分: 太陽が天の赤道を北から南へ横切る瞬間
この瞬間、地球上のほぼすべての場所で昼と夜の長さがほぼ等しくなります。
実際には完全に等しくない?
理論上は昼夜等分ですが、実際には以下の理由で昼の方が少し長くなります:
- 大気による光の屈折: 太陽光が大気で屈折し、実際より早く太陽が見える
- 太陽の視直径: 太陽の上端が地平線に見えた瞬間を「日の出」とするため
真に昼夜が等しくなるのは、春分の日の3〜4日前、秋分の日の3〜4日後です。
3. お彼岸の中日
両方ともお彼岸の中日(真ん中の日)です。
- 春のお彼岸: 春分の日を中日とした前後3日間(計7日間)
- 秋のお彼岸: 秋分の日を中日とした前後3日間(計7日間)
お彼岸は仏教行事で、先祖の霊を供養する期間です。
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉の通り、季節の変わり目を感じる時期でもあります。
4. 戦前は皇室祭祀の日
戦前は両方とも皇室祭祀の日でした:
- 春分の日: 春季皇霊祭(しゅんきこうれいさい)
- 秋分の日: 秋季皇霊祭(しゅうきこうれいさい)
歴代天皇・皇后・皇親の霊を祭る儀式が行われていました。
戦後、宗教色を排除して現在の形になりました。
春分の日と秋分の日の違い
1. 祝日としての趣旨が異なる
最も大きな違いは、祝日としての趣旨です。
項目 | 春分の日 | 秋分の日 |
---|---|---|
趣旨 | 自然をたたえ、生物をいつくしむ | 祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ |
焦点 | 自然・生命 | 祖先・供養 |
春分の日は、春の訪れと新しい生命の誕生を祝う、未来志向の祝日です。
秋分の日は、収穫の感謝と先祖への感謝を示す、過去を振り返る祝日です。
2. 季節の意味が異なる
項目 | 春分の日 | 秋分の日 |
---|---|---|
季節 | 春の始まり | 秋の深まり |
日照時間の変化 | これから昼が長くなる | これから夜が長くなる |
自然の変化 | 植物が芽吹く | 紅葉が始まる |
温度変化 | 暖かくなる | 涼しくなる |
春分の日は、冬から春への移行期で、これから日が長くなり、暖かくなる希望の時期です。
秋分の日は、夏から秋への移行期で、これから日が短くなり、涼しくなる静けさの時期です。
3. お彼岸の習慣が異なる
お彼岸の中日という点は共通ですが、食べ物の名称が異なります:
項目 | 春のお彼岸 | 秋のお彼岸 |
---|---|---|
食べ物 | ぼたもち | おはぎ |
由来 | 春に咲く牡丹の花 | 秋に咲く萩の花 |
中身は同じあんこ餅ですが、季節の花にちなんで名前が変わります。
4. 天文学的な位置が異なる
項目 | 春分の日 | 秋分の日 |
---|---|---|
太陽の位置 | 春分点(黄経0度) | 秋分点(黄経180度) |
太陽の動き | 南から北へ | 北から南へ |
西洋占星術 | おひつじ座の始点 | てんびん座の始点 |
太陽が天の赤道を横切る方向が逆です。
春分は上昇、秋分は下降の動きです。
お彼岸との関係
お彼岸とは
お彼岸は、仏教における先祖供養の期間です。
語源: サンスクリット語の「パーラミター(波羅蜜多)」が由来で、「彼岸(向こう岸)に到る」という意味です。
期間:
- 春のお彼岸:春分の日を中日とした7日間
- 秋のお彼岸:秋分の日を中日とした7日間
お彼岸の日程
春のお彼岸(2026年の例):
- 彼岸入り:3月17日(火)
- 中日(春分の日):3月20日(金)
- 彼岸明け:3月23日(月)
秋のお彼岸(2026年の例):
- 彼岸入り:9月20日(日)
- 中日(秋分の日):9月23日(水)
- 彼岸明け:9月26日(土)
なぜ春分・秋分がお彼岸なのか
仏教では、極楽浄土は西にあると考えられています。
春分の日と秋分の日は、太陽が真東から昇り、真西に沈むため、西方極楽浄土への道筋が最も明確になる日とされています。
お彼岸の過ごし方
行事 | 内容 |
---|---|
お墓参り | 先祖の墓を掃除し、供養する |
仏壇の掃除 | 仏壇を整え、お供え物を用意 |
ぼたもち・おはぎ | 季節の和菓子を供える |
法要 | お寺での法要に参加 |
日付の決まり方と計算方法
天文学的な計算
春分の日と秋分の日は、太陽の黄経(天球上の経度)で決まります。
- 春分の日: 太陽の黄経が0度になる瞬間を含む日
- 秋分の日: 太陽の黄経が180度になる瞬間を含む日
なぜ日付が変動するのか
地球の公転周期は正確に365日ではなく、約365.2422日です。このズレを調整するため:
- うるう年の影響: 4年に1度の調整がある
- 地球の軌道の微妙な変化: 長期的に軌道が変化する
このため、春分の日は3月20日か21日、秋分の日は9月22日か23日のいずれかになります。
計算の精度
国立天文台の計算精度は非常に高く、約80年先まで予測できますが、公式には毎年2月に翌年分を発表します。
2025〜2027年の日付早見表
春分の日
年 | 日付 | 曜日 |
---|---|---|
2025年 | 3月20日 | 木 |
2026年 | 3月20日 | 金 |
2027年 | 3月21日 | 日 |
2028年 | 3月20日 | 月 |
2029年 | 3月20日 | 火 |
2030年 | 3月20日 | 水 |
秋分の日
年 | 日付 | 曜日 |
---|---|---|
2025年 | 9月23日 | 火 |
2026年 | 9月23日 | 水 |
2027年 | 9月23日 | 木 |
2028年 | 9月22日 | 金 |
2029年 | 9月23日 | 日 |
2030年 | 9月23日 | 月 |
連休パターン
2026年の春分の日(3月20日・金):土日と合わせて三連休
2027年の春分の日(3月21日・日):振替休日で三連休
2026年の秋分の日(9月23日・水):敬老の日から続く5連休のシルバーウィークの一部
春分・秋分にまつわる雑学
世界各地の春分・秋分
春分・秋分は世界共通の天文現象です:
- イラン: 春分の日が新年(ノウルーズ)
- メキシコ: 春分の日にチチェン・イッツァで光の蛇が現れる
- イギリス: 秋分の日頃にハーベストフェスティバル(収穫祭)
春分点・秋分点の移動
春分点と秋分点は、地球の歳差運動により、約26,000年かけて天球上を一周します。
これを「歳差」と呼びます。
真の昼夜等分日
実際に昼と夜の長さが等しくなるのは:
- 春分: 春分の日の3〜4日前
- 秋分: 秋分の日の3〜4日後
大気による光の屈折と太陽の視直径のため、祝日当日は昼の方が少し長くなります。
個人的には、春分の日は希望に満ちた春の訪れを感じ、秋分の日は静かに先祖に思いを馳せる、それぞれ異なる意味で大切な日だと感じます。
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まとめ(FAQ付き)
Q1: 春分の日と秋分の日の最大の違いは?
祝日の趣旨が異なります。
春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」、秋分の日は「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」日です。
Q2: 両方とも昼と夜の長さが等しい日ですか?
はい、天文学的には昼夜がほぼ等しくなります。
ただし実際には大気の屈折などにより、昼の方が少し長くなります。
Q3: 日付はどうやって決まるのですか?
国立天文台が天文学的計算に基づいて決定し、前年の2月に発表します。
太陽が春分点・秋分点を通過する日が該当します。
Q4: お彼岸とはどういう関係ですか?
春分の日と秋分の日は、それぞれ春のお彼岸と秋のお彼岸の中日(真ん中の日)です。
前後3日間の計7日間がお彼岸期間です。
Q5: ぼたもちとおはぎの違いは?
中身は同じですが、季節によって名前が変わります。
春のお彼岸は「ぼたもち」(牡丹餅)、秋のお彼岸は「おはぎ」(お萩)と呼びます。
Q6: なぜ日付が毎年変わるのですか?
地球の公転周期が正確に365日ではないため、春分点・秋分点を通過する日が年によって変動します。
Q7: 2026年の春分の日と秋分の日はいつですか?
- 春分の日: 2026年3月20日(金)- 三連休
- 秋分の日: 2026年9月23日(水)- シルバーウィーク5連休の一部
Q8: 春分の日と秋分の日はいつから祝日ですか?
両方とも1948年に制定されました。
戦前は「春季皇霊祭」「秋季皇霊祭」という名称でした。