お彼岸とは、春分・秋分を中心とした7日間にご先祖さまを供養する日本独自の行事で、お墓参りを通じて「感謝とつながり」を確かめる期間です。
「お彼岸ってお盆と何が違うの?」と感じたことはありませんか?
実は、この2つは似ているようで全く異なる意味を持つ行事なんです。
お彼岸には独特の思想と、日本人らしい美しい考え方が込められています。
この記事でわかること
• お彼岸の意味と由来
• なぜお墓参りをするのか
• お盆との違いや豆知識
3分で読めます!
この記事はこんな人向け
「子どもに説明したい」「日本文化の意味を知りたい」「雑学ネタを増やしたい」方にぴったりの内容です。
同じ秋の行事として「敬老の日っていつから始まったの?」や「十五夜の由来って知ってる?」も合わせて知ると面白いですよ。
お彼岸とは?【そもそも何?】
お彼岸とは、春分の日・秋分の日を中心とした前後3日間、計7日間に行われる日本独自の仏教行事です。
2025年の秋彼岸は9月20日(土)〜26日(金)の7日間で、23日(火)の秋分の日を「中日(なかび)」として、その前後を「彼岸の入り」「彼岸明け」と呼びます。
興味深いのは、お彼岸は日本にしかない行事だということ。
仏教発祥のインドや、仏教が盛んな中国にも、お彼岸に相当する行事はありません。
これは日本人が独自に作り上げた、とても日本的な文化なのです。
「彼岸」という言葉は、仏教用語で「悟りの世界」を意味し、私たちが住む「此岸(しがん)」に対して、ご先祖さまがいる「あの世」を「彼岸」と表現したことから生まれました。
なぜお墓参りをするの?【理由解説】
ご先祖さまに感謝を伝えるため
お彼岸のお墓参りは、ご先祖さまへの感謝の気持ちを伝える大切な時間です。
日本では古くから、今の自分があるのはご先祖さまのおかげという考え方があります。
お彼岸は、その感謝の気持ちを形にして伝える期間。
お墓を掃除し、お花やお供え物を捧げることで、「ありがとう」の気持ちを表現します。
昼と夜が等しい春分・秋分は「彼岸に通じやすい」
春分・秋分の日は、昼と夜の長さがほぼ等しくなる特別な日です。
この「バランスが取れた日」は、この世とあの世が最も近くなると考えられていました。
太陽が真東から昇り真西に沈むこの日は、西方浄土(極楽浄土)への道筋が最も明確になるとされ、ご先祖さまとのつながりを感じやすい時期として大切にされてきました。
家庭や地域でのお供え物の意味
お彼岸といえば「ぼた餅」と「おはぎ」が定番ですが、これらには深い意味があります。
- 春彼岸:「ぼた餅」(牡丹餅)→ 春に咲く牡丹の花をイメージ
- 秋彼岸:「おはぎ」(御萩)→ 秋に咲く萩の花をイメージ
どちらも小豆の赤い色が「魔除け」の意味を持ち、ご先祖さまを悪いものから守るという願いが込められています。
お彼岸とお盆の違い【混同しやすいポイント】
多くの人が混同しがちなお彼岸とお盆ですが、実は根本的に異なる行事です。
項目 | お彼岸 | お盆 |
---|---|---|
基本思想 | こちらから供養する | ご先祖が帰ってくる |
時期 | 春分・秋分の7日間 | 8月13日〜16日(地域差あり) |
起源 | 日本独自の行事 | インド・中国から伝来 |
行動 | お墓参り中心 | 迎え火・送り火で出迎え |
お供え | ぼた餅・おはぎ | キュウリの馬・ナスの牛 |
❌「お彼岸=お盆と同じ」は間違いです。
お盆はご先祖さまが「帰ってくる」行事なのに対し、お彼岸は私たちが「供養する」行事という、方向性が全く異なります。
もっと知りたいお彼岸の豆知識【深掘り情報】
なぜ春分と秋分に行う?
お彼岸が春分・秋分に行われるのは、古代日本の太陽信仰と仏教が融合した結果です。
太陽が真東から昇り真西に沈む日は、方角の概念がはっきりし、西方浄土への道筋が明確になると考えられていました。
また、季節の変わり目でもあるこの時期は、自然の移ろいを感じながらご先祖さまを偲ぶのにふさわしいタイミングとされています。
「ぼた餅」と「おはぎ」は実は同じもの?
実は、ぼた餅とおはぎは基本的に同じ食べ物です。
違いは季節の呼び方だけ。
- ぼた餅:春彼岸(牡丹の季節)
- おはぎ:秋彼岸(萩の季節)
地域によっては、あんこの粒の有無や餅米の炊き方で区別することもありますが、本来は季節による呼び分けが正しい使い方です。
地域ごとのお彼岸行事
関東:白玉団子をお供えする地域が多い
関西:おはぎ中心で、きなこをかける習慣も
九州:「彼岸団子」という独特の団子文化
沖縄:旧暦を重視し、本土とは時期がずれることも
関連する雑学【秋の行事つながり】
お彼岸は秋の代表的な行事として、「敬老の日」や「十五夜」と並んで親しまれています。
興味深いことに、「秋彼岸は台風が多い」という昔からの言い伝えがあります。実際に9月下旬は台風シーズンのピークと重なることが多く、お墓参りの際は天気予報をチェックすることが大切です。
また、お彼岸の時期は「シルバーウィーク」と重なることもあり、帰省ラッシュや旅行需要が高まる時期でもあります。家族でお墓参りをする良い機会として活用する人も多いようです。
✅ まとめ
- お彼岸=春分・秋分を中心とした7日間、ご先祖を供養する日本独自の行事
- お墓参りやお供え物には「感謝の気持ち」と「つながりの確認」の意味がある
- お盆とは根本的に異なる(供養する vs 帰ってくる)
- ぼた餅・おはぎは季節による呼び分けで、基本的には同じもの
==お彼岸は「ご先祖と自分をつなぐ1週間」として、家族の絆を深める大切な時間です。==
❓ FAQ
Q1:お彼岸はいつ?
春分・秋分の日を含む前後3日間、計7日間です。
2025年の秋彼岸は9月20日(土)〜26日(金)。
春彼岸は3月中旬頃になります。
天文計算により春分・秋分の日が決まるため、毎年微妙に日付が変わります。
Q2:お彼岸とお盆の違いは?
供養の方向性が根本的に異なります。
お盆はご先祖さまが「この世に帰ってくる」行事で迎え火・送り火を行いますが、お彼岸は私たちが「あちらの世界に向かって供養する」行事です。
お墓参り中心で、家に迎え入れるという概念はありません。
Q3:お彼岸って英語で言える?
“Higan week”や”Equinoctial week in Japan”と説明されます。
日本独自の文化なので直訳は困難ですが、「Spring/Autumn equinox Buddhist memorial week」(春分/秋分の仏教的追悼週間)と説明すると外国人にも理解してもらえます。
Q4:お彼岸にお墓参りしないとダメ?
絶対的な決まりではありませんが、できる範囲で行うのが良いとされます。
遠方にいる場合は、心の中で感謝の気持ちを込めて手を合わせるだけでも十分。
大切なのは、ご先祖さまへの感謝の気持ちを忘れないことです。
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