家族が帰ってくると、
「おかえり!」
と声をかけます。
そして帰ってきた人は、
「ただいま!」
と返す。
あまりにも自然なやり取りなので、普段は気にもしません。
でも、よく考えると「おかえり」って少し不思議です。
「帰った」のは相手なのに、なぜこちらが「お帰り」と言うのでしょうか。
命令しているようにも見えます。
実は「おかえり」は、もともと
「お帰りなさい」
という言葉が短くなったものです。
そして「お帰りなさい」は、外から戻ってきた人を迎えるための挨拶として使われています。
今回は、「おかえり」がなぜ帰宅した人に使われるのか、その意味を見ていきましょう。
「おかえり」は何の略?
「おかえり」は、
「お帰りなさい」
を短くした言葉です。
辞書でも「お帰り」は、「お帰りなさい」の略として、外から戻ってきた人への挨拶に使う言葉と説明されています。
つまり、
「おかえり」
だけを見ると少し不思議ですが、もともとはもっと長い表現だったわけです。
(参考サイト:コトバンク「御帰」)
(参考サイト:コトバンク「お帰り」)
「お帰りなさい」は命令しているの?
「お帰りなさい」と聞くと、
「帰りなさい」
という命令文のようにも見えます。
たとえば、
「早く帰りなさい」
なら、
「帰ってください」
という意味ですよね。
ところが、帰宅した人に言う「お帰りなさい」は、そういう意味ではありません。
辞書では、
外出から戻った人に対する挨拶
とされています。
つまり、
「帰りなさい!」
と命令しているのではなく、
「帰ってきましたね」
「無事に戻ってきましたね」
と迎えるための言葉として定着しているのです。
(参考サイト:コトバンク「お帰りなさい」)
「おかえり」にはどんな意味が込められている?
辞書的には「外から戻った人への挨拶」ですが、実際の使われ方を見ると、「おかえり」にはいくつかの感覚が重なっています。
帰ってきたことを受け止める言葉
「おかえり」と言う場面では、
「戻ってきたんだね」
という確認の意味があります。
相手が帰宅したという出来事を、迎える側が受け止める言葉です。
戻ってきた人を迎える言葉
「おかえり」は、ただ事実を確認しているだけではありません。
日常では、
「無事に戻ってきてよかった」
「帰ってきたね」
という歓迎の気持ちも含んで使われます。
だからこそ、家族や身近な人との間では、非常に温かい挨拶として感じられるのでしょう。
「ただいま」と「おかえり」はなぜセットなの?
日本では、
帰ってきた人が「ただいま」
迎える人が「おかえり」
という組み合わせが定番です。
この二つは役割が違います。
「ただいま」は帰ってきた人の報告
「ただいま」は、
「ただいま帰りました」
が短くなった言葉です。
つまり、
「今、帰ってきました」
という帰宅した側からの報告です。
詳しくはこちらで解説しています。
→ 「ただいま」の「ただ」って何?帰宅の挨拶になった理由と語源を解説
「おかえり」は迎える人の返事
それに対して、
「おかえり」
は、
帰ってきた人を迎える側の言葉
です。
つまり、
「ただいま」
↓
「帰ってきました」
「おかえり」
↓
「帰ってきたんですね」
というやり取りになっています。
片方だけでも意味は通じますが、二つが組み合わさることで、帰宅したことを確認し合う挨拶になります。
「おかえりなさい」と「おかえり」はどう使い分ける?
「おかえり」と「おかえりなさい」は、基本的には同じ挨拶です。
違いは、主に丁寧さです。
「おかえりなさい」は丁寧な言い方
「お帰りなさい」は、帰宅した人に対する標準的な挨拶です。
家族の中でも使いますし、少し丁寧に迎えたいときにも使えます。
「おかえり」は親しい相手に使いやすい
「おかえり」は「お帰りなさい」の略です。
そのため、
家族
友人
親しい相手
などに使う、よりくだけた表現です。
辞書でも、「お帰り」は「お帰りなさい」の略で、親しい人や目下の人に対して使う表現とされています。
(参考サイト:コトバンク「御帰」)
英語にも「おかえり」と同じ挨拶がある?
日本語では、
「ただいま」
「おかえり」
が決まったセットのように使われます。
しかし英語では、日常の帰宅時に日本語の「おかえりなさい」と完全に同じ形で毎回使う決まった挨拶はないと、和英辞典では説明されています。
旅行や長期間の外出から戻った人には、
Welcome back!
Welcome home!
などと言うことがあります。
(参考サイト:コトバンク「お帰りなさい」和英辞典)
日本語のように、
「ただいま」
「おかえり」
という短い言葉を毎日の帰宅時にセットで使う文化は、改めて考えるとなかなか特徴的です。
「おかえり」は帰ってきた人を迎える一言だった
普段何気なく使っている「おかえり」。
その正体は、
「お帰りなさい」
を短くした言葉です。
そして「お帰りなさい」は、外出から戻ってきた人を迎える挨拶として使われています。
だから「おかえり」は、
「帰れ!」
という命令ではありません。
むしろ、
「帰ってきたね」
「無事に戻ってきたね」
と相手を迎えるための言葉なのです。
そして帰ってきた人が言う「ただいま」と組み合わさることで、
「今、帰りました」
「お帰りなさい」
という小さなやり取りが完成します。
毎日繰り返される何気ない挨拶ですが、よく考えてみると、
帰ってきたことを知らせる人と、それを受け止める人
の両方がいて初めて成立する言葉なのですね。
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