浅葱色（あさぎいろ）の意味・由来と名前に込めるイメージ

江戸時代の浮世絵を見て「なんて粋な浅葱色だろう」と感心したことはありませんか？

浅葱色（あさぎいろ）とは、浅葱（ネギ）の葉のような爽やかな青緑色のことで、江戸の粋と洗練された美意識を象徴する日本の伝統色です。

こんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか？

この記事でわかることは以下の3点です：

3分でサクッと読めます！

この記事は、日本の伝統色に興味がある方、名前の意味を知りたい方、江戸文化や庶民の美意識について知りたい方におすすめです。

読み終わる頃には、きっと浅葱色の粋な美しさに魅了されますよ。

そもそも浅葱色とは？

浅葱色（あさぎいろ）とは、浅葱（ネギ）の若い葉のような明るく爽やかな青緑色のことです。

ざっくり言うと、青と緑の中間で、空の青と新緑の緑を合わせたような、清々しく洗練された色と表現できます。

色彩学的には、青緑系の色相で、彩度は中程度、明度も中程度の爽やかで洗練された色を指します。

RGB値では（72, 146, 155）程度の数値で表現され、見る人に爽やかさと粋な美しさを感じさせる都会的な色です。

浅葱は現在のネギの古い呼び方で、その若い葉の美しい青緑色から色名が生まれました。

庶民にとって身近な野菜の色を美しい色の名前にするという発想は、江戸時代の庶民文化の豊かさを表現しています。

浅葱色は江戸時代の「粋（いき）」という美意識を代表する色でした。

派手すぎず地味すぎない、洗練された美しさを表現する色として、江戸っ子たちに愛されたのです。

特に職人や商人の間で人気が高い色でした。

浅葱色は藍染の技術で作られる色の一つでもありました。

藍を薄く染めて青緑がかった美しい色を作る技術が発達し、この色が「浅葱色」として定着したのです。

技術的な高度さと美的センスが融合した色なのです。

浅葱色は多くの江戸文学で「粋」「洗練」「庶民の美意識」の象徴として使われています。

滝沢馬琴の作品には「浅葱色の着物」として粋な江戸っ子を表現し、現代文学でも「浅葱色の空」「浅葱色の海」として爽やかな美しさを描写します。

現代でも洗練された爽やかさを表現する色として重用されています。

江戸時代の浅葱色の使われ方：

現代でも浅葱色は様々な場面で活用されています。

カジュアルウェア、インテリアデザイン、グラフィックデザイン、さらには現代アートまで、爽やかで洗練された美しさを表現する色として欠かせない存在です。

江戸東京博物館で浅葱色の話題を出すと、「浅葱色って江戸時代の庶民が愛した粋でおしゃれな色なんですよ」と話せば、江戸文化への深い理解と庶民美学への愛情を示せること間違いなしです！

浅葱色と混同されやすい青緑系の色を比較してみましょう：

色名	特徴	由来・イメージ	使い分け
浅葱色	爽やかな青緑	浅葱（ネギ）・江戸の粋・洗練	粋・洗練を表現
藍色	深い青紫	藍染・伝統・日本らしさ	伝統美・落ち着きを表現
青色	基本的な青	空・海・爽やか・信頼	爽やかさ・信頼性を表現
緑色	基本的な緑	自然・生命力・安らぎ	自然・生命力を表現