水縹（みずはなだ）の意味・由来と名前に込めるイメージ

薄い青色の着物を見て「なんて上品な水縹だろう」と思ったことはありませんか？

水縹（みずはなだ）とは、水のように薄く美しい縹色（はなだいろ）のことで、清らかさと上品さを象徴する日本の雅やかな伝統色です。

こんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか？

この記事でわかることは以下の3点です：

3分でサクッと読めます！

この記事は、日本の伝統色に興味がある方、名前の意味を知りたい方、古代の染色文化について知りたい方におすすめです。

読み終わる頃には、きっと薄い青色の雅やかな美しさがより特別に感じられますよ。

そもそも水縹とは？

水縹（みずはなだ）とは、縹色（はなだいろ）を水で薄めたような、非常に淡く上品な青色のことです。

ざっくり言うと、空の青を水に映したような、透明感があり優雅で控えめな美しい青色と表現できます。

色彩学的には、縹色に白を多く加えた淡い色相で、彩度は低く、明度は高い上品で雅やかな色を指します。

RGB値では（165, 186, 224）程度の数値で表現され、見る人に清らかさと上品さを感じさせる優雅な色です。

縹色（はなだいろ）は、露草（つゆくさ）で染めた美しい青色です。

「はなだ」は露草の古い呼び方で、この花の汁で染めた青色が縹色の原点でした。

平安時代には高貴な色として愛用されていました。

「水縹」の「水」は、縹色を水で薄めたような淡さを表現しています。

同時に、水の持つ清らかさ、透明感、流れるような美しさも表現した、非常に詩的で美しい色名なのです。

水縹は平安時代の「重ね色目」で重要な役割を果たしていました。

表は白、裏は縹色という組み合わせで「水縹」と呼ばれ、夏の涼やかさを表現する雅やかな色合いとして貴族女性に愛されたのです。

水縹は多くの古典文学で「清らかさ」「上品さ」「涼やかさ」の象徴として使われています。

『源氏物語』では夏の装いとして登場し、『枕草子』では「涼しき色」として表現されています。

現代でも清らかで上品な美しさを表現する色として文学作品に登場します。

水縹を作るための染色技術：

現代でも水縹は様々な場面で活用されています。

夏の着物、涼感を演出するインテリア、上品な文房具、さらには現代アートまで、清らかさと上品さを表現する色として重宝されています。

和装の展示会で水縹の話題を出すと、「水縹って平安時代から愛されている露草由来の雅やかな色なんですよ」と話せば、古典文化への深い理解と色彩への繊細な感性を示せること間違いなしです！

水縹と混同されやすい薄い青系の色を比較してみましょう：

色名	特徴	由来・イメージ	使い分け
水縹	上品で雅やかな薄青	露草・平安文化・雅	雅やかさ・上品さを表現
縹色	露草で染めた青	露草・古典・高貴	古典的な美しさを表現
藍色	深い青紫	藍染・伝統・日本らしさ	伝統美・落ち着きを表現
浅葱色	ネギの葉のような青緑	浅葱・江戸時代・粋	江戸の粋・洗練を表現