「本日はお忙しい中、お時間をいただかせていただき、ありがとうございます」
こんなメールを受け取って、なんだかモヤっとしたことありませんか?
実は、この「させていただく」の使いすぎ、逆に失礼になってしまうことがあるんです!
今日は、そんな現代の敬語問題を一緒に解決してみましょう!
「させていただく」って、本来はどう使うもの?【基本のき】
まず、「させていただく」の正しい意味を確認しましょう。
「させていただく」の本来の意味:
- 相手の許可を得て、自分が何かをする
- 謙譲語+丁寧語の組み合わせ
- 「〜させてもらう」の敬語版
正しい使用例:
- 「お先に失礼させていただきます」(退社時)
- 「資料を拝見させていただきました」(許可を得て見た場合)
重要なポイント: 相手の許可や恩恵があって初めて成り立つ表現なんです!
つまり、何でもかんでも「させていただく」をつければいいというものではないんですね。
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丁寧になりたい気持ちの暴走
現代の日本人は、とにかく丁寧になりたいという気持ちが強すぎるんです。
「失礼になるくらいなら、丁寧すぎる方がマシ」
こんな心理から、「させていただく」を多用してしまうんです。
でも、これって実は逆効果になることがあるんです!
テレビ・接客業界からの影響
1990年代以降、テレビや接客業界で「させていただく」が急速に広まりました。
特に:
- バラエティ番組の司会者
- デパートや飲食店の店員
- コールセンターのオペレーター
彼らが頻繁に使うようになったことで、一般の人も真似するようになったんです。
「安全策」としての過剰敬語
多くの人が「させていただく」を「とりあえず丁寧な表現」として使っています。
「これを使っておけば間違いない」という安全策なんです。
でも、実際は適切な場面が限られている表現なんです!
実は失礼?「させていただく」の落とし穴【注意点】
相手の許可が必要な表現
「させていただく」は、本来相手の許可や好意があって初めて使える表現です。
不適切な例:
- 「今日は説明させていただきます」 → 説明するのは自分の仕事なので「説明いたします」でOK
- 「商品を紹介させていただきます」 → 「ご紹介いたします」が適切
相手の許可が不要な場合に使うと、変な日本語になってしまいます。
使いすぎると不自然になる理由
「させていただく」を連発すると:
- くどくて聞きにくい
- 本当に大切な感謝が伝わらない
- 機械的で心がこもっていない印象
悪い例: 「本日はお時間をいただかせていただき、貴重なお話を聞かせていただき、勉強させていただきました」
良い例: 「本日はお時間をいただき、貴重なお話を伺うことができました。大変勉強になりました」
年配の方が感じる違和感
特に50代以上の方は、「させていただく」の乱用に違和感を覚えることが多いんです。
理由は:
- 昔はそんなに使わなかった表現
- 本来の用法を知っている
- 「わざとらしい」と感じる
相手の年齢層も考慮した方がいいですね。
【まとめ】もう迷わない!「させていただく」の正しい使い方
結論をまとめると:
「させていただく」を使うべき場面:
- 相手の許可を得て何かをする時
- 相手の好意で恩恵を受ける時
- 本当に感謝したい時
使わない方がいい場面:
- 自分の職務として行うこと
- 相手の許可が不要なこと
- 単に丁寧にしたいだけの時
代替表現:
- 「いたします」「申し上げます」
- 「拝見いたします」「伺います」
- シンプルに「です・ます調」
覚え方のコツ: 「相手のおかげで」できることなら「させていただく」、そうでなければ他の敬語を使う!
これで、もう「させていただく」で迷うことはありませんね!
大切なのは、相手への敬意を適切に表現することです。過剰になりすぎず、でも失礼にならないバランスを心がけましょう。
「させていただく」を使いすぎている人を見かけても、「一生懸命丁寧になろうとしているんだな」って温かく見守ってあげてください。
そして、自分が使う時は、本当に感謝の気持ちがある時だけにすると、より心のこもった表現になりますよ!
言葉は相手に気持ちを伝える道具です。
形だけでなく、心を込めて使いたいですね!
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