1時間が60分なのは、古代バビロニア文明が使っていた60進法が天文観測に最適で、約4000年間も使い続けられてきた人類史上最も成功した数学システムだった!
「なんで1時間は60分なの?100分じゃダメだったの?」と疑問に思ったことはありませんか?
現代では10進法が当たり前なのに、時間だけは不思議な60という数字。
実はこの背景には、古代文明の驚くべき数学的智恵が隠されているんです。
この記事でわかること
✅古代バビロニアの60進法が生まれた天文学的理由
✅60という数字が持つ驚異的な約数の多さ
✅現代でも60進法が生き残っている科学的根拠
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ちなみに、同じく古代から続く時間の秘密である1週間が7日の理由も面白いんですよ。
気になる方はこちらもどうぞ → [1週間って、なんで7日なの?意外すぎる3つの理由が判明]
時間の基本単位の歴史【そもそも何?】
現代の時間システムの基本構造
現在の時間システムは「24時間制」「1時間60分」「1分60秒」という3層構造。
このうち24時間制は地球の自転周期に基づく自然な単位ですが、60分・60秒というのは人工的な分割システムです。
この人工的システムが4000年以上も使われ続けているのには、深い理由があったのです。
10進法が主流なのになぜ60進法?
現代社会は10進法(指の数に基づく)が主流なのに、時間だけは60進法。
この不思議な現象は、古代文明の数学的発見と現代科学の要求が完全に一致した、極めて稀な例なのです。
古代バビロニア文明の60進法【なぜ60だったのか?】
天文観測に最適な数として発見【理由その1】
紀元前2000年頃の古代バビロニア文明は、高度な天文観測を行っていました。
1年は約360日(実際は365.25日だが、観測精度の限界で360日と認識)で、これを60で割ると6という整数になることを発見。
60という数字が天体の周期的運動を記述するのに極めて都合が良いことがわかったのです。
60は約数が驚異的に多い「完全に近い数」【理由その2】
60の約数は1, 2, 3, 4, 5, 6, 10, 12, 15, 20, 30, 60の12個。
同程度の数字と比較すると、50は6個、70は8個、100は9個の約数しかありません。
約数が多いということは「均等に分割しやすい」ということで、実用性が極めて高いのです。
指を使った計算システムとも合致【理由その3】
古代バビロニア人は、片手の5本指×もう片手の12箇所(指の関節)=60という計算方法を使っていました。
この身体を使った計算システムと60進法が完璧に合致し、日常生活での実用性も確保されていたのです。
60進法が現代まで生き残った科学的理由【なぜ今でも使うのか?】
科学的計測に最適な分割精度【現代での有用性1】
60分割は、時間の精密測定に最適な粒度を提供します。
1分は日常生活で意識できる最小時間単位であり、1秒は人間の反応時間に近い単位。
この絶妙な時間粒度が、現代の科学技術と人間の生理リズムの両方に適合しているのです。
国際標準化が進んだ19世紀に科学的根拠で採用継続【現代での有用性2】
19世紀の度量衡統一の際、メートル法導入で多くの単位が10進法に変更されました。
しかし時間に関しては、天文学・物理学・工学のすべての分野で60進法の優位性が認められ、継続採用が決定。
科学的合理性により、古代システムが現代でも生き残ったのです。
他の古代文明との比較【なぜバビロニアが勝ったのか?】
エジプト文明は10進法時間を使用
古代エジプトでは10進法ベースの時間システムを使用していました。
1日を10時間に分割し、さらに10分割するシステムでしたが、天文観測の精度でバビロニアに劣っていました。
中国は12進法と60進法の混合システム【他文明との比較】
中国古代では12支による12進法と60干支による60進法を併用。
バビロニアとは独立に60進法の有用性を発見していましたが、時間システムとしての体系化はバビロニアが先行していました。
60進法の数学的優秀性【なぜこんなに便利なのか?】
分数計算が極めて簡単
60÷2=30、60÷3=20、60÷4=15、60÷5=12、60÷6=10…
すべて整数で割り切れるため、分数計算が不要で、古代から現代まで実用性が高いのです。
角度測定システムとの完全一致【数学的整合性】
円周は360度(60×6)に分割され、1度は60分、1分は60秒に分割。
時間と角度の測定システムが完全に統一されており、天文学・航海術・測量学で極めて便利です。
追い打ち情報【もっと深掘りした豆知識】
フランス革命時に10進法時間が導入されたが失敗【豆知識1】
1793年、フランス革命政府は「革命暦」と共に10進法時間を導入しました。
1日=10時間、1時間=100分、1分=100秒という完全10進法でしたが、わずか12年で廃止。
日常生活と科学計測の両面で60進法の方が実用的だったことが証明されました。
コンピュータ時代でも60進法が最適【豆知識2】
デジタル時代でも、タイムスタンプやスケジューリングシステムで60進法が標準。
プログラミングでも、60で割り切れる時間間隔の方が処理効率が良いことが多く、古代の智恵が現代技術でも活用されています。
世界各地での60進法の影響【グローバルな普及】
イスラム文明での継承と発展
8-13世紀のイスラム文明は、バビロニアの60進法を継承し、さらに精密化。
アルゴリズムやアルジェブラ(代数学)の発展と共に、60進法の数学的基盤を強化しました。
ヨーロッパ中世での再発見【文明継承】
十字軍時代にイスラム文明から再輸入された60進法は、ヨーロッパの時計技術発展の基礎となりました。
機械式時計の歯車設計でも、60進法の約数の多さが活用されています。
現代社会での60進法の応用範囲【どこで使われているか?】
GPS・ナビゲーションシステム
GPS座標は度・分・秒で表記され、60進法が活用されています。
緯度・経度の精密測定で、60進法の分割精度が威力を発揮。
音楽・映像制作の時間管理【クリエイティブ分野での活用】
音楽のBPM(Beat Per Minute)や映像編集のタイムコードも60進法ベース。
創作活動でも、古代バビロニアの数学システムが現代まで生き続けているのです。
他の時間単位との関係【時間システムの全体像】
秒の定義は現代物理学ベース
1秒の定義は1967年に原子時計ベースで再定義されましたが、60進法の枠組みは維持。
最新の物理学と古代の数学が調和した、稀有な単位系となっています。
うるう秒の問題も60進法で解決【現代的課題への対応】
地球の自転速度変化に対するうるう秒調整も、60進法の枠組み内で実施。
古代システムが現代の精密科学にも対応できる柔軟性を持っていることを示しています。
まとめ【話したくなる一言】
1時間が60分なのは、古代バビロニア文明が天文観測のために開発した60進法が、約数の多さという数学的優秀性と天体周期への適合性により、4000年間使い続けられてきた人類史上最も成功した数学システムでした。
フランス革命でさえ変えられなかった、古代の智恵と現代科学の完璧な融合。
次に時計を見る時に、「この60分って、古代バビロニアから4000年続いてるシステムなんだよ!約数が12個もあって数学的に完璧なんだって」って友達に教えてあげてください。
きっと「え、そんなに古くて科学的だったの?」って驚かれること間違いなしです。
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