日本のカレーはインドから直接ではなく、イギリス経由で伝わり、明治の軍隊食として独自進化した「和製洋食」だった!
「カレーはインド料理」と思っている人が多いですが、私たち日本人が普段食べているカレーは、実はインドのカレーとは全く別の食べ物なんです。
どうして日本のカレーはこんなに独特な進化を遂げたのでしょうか?
この記事でわかること
✅カレーが日本に伝わった驚きのルート
✅明治時代の軍隊食として発達した理由
✅ルウという日本独自システムの革命性
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ちなみに、同じく日本で独自進化したラーメンの歴史も面白いんですよ。
気になる方はこちらもどうぞ → [ラーメンが中華料理から日本料理になった驚きの変遷]
カレーの基本的な違い【そもそも何?】
インドのカレーは「スパイス煮込み料理」
本場インドのカレーは、複数のスパイスを組み合わせた煮込み料理の総称。
地域や家庭によって使うスパイスが全く異なり、とろみをつけるルウのようなものは存在しません。
サラサラとしたスープ状で、ナンやライスと一緒に食べるのが一般的です。
日本のカレーは「ルウベースの洋食」
一方、日本のカレーは小麦粉でとろみをつけたルウベースの洋食。
一定の味に標準化され、スプーンで食べるスタイルが確立されています。
この根本的な違いが、実は偶然ではなく必然的な理由があったのです。
カレーが日本に伝わった驚きのルート【なぜこうなったのか?】
インドからではなく「イギリス経由」【理由その1】
日本にカレーが伝わったのは1860年代の幕末期で、ルートはインドではなくイギリス。
当時のイギリスは植民地インドの影響でカレーが流行しており、すでに小麦粉でとろみをつけた「イギリス式カレー」が確立されていました。
日本が学んだのは、このイギリス風にアレンジされたカレーだったのです。
明治政府の「富国強兵」政策が後押し【理由その2】
明治政府は西洋化を推進する中で、栄養価の高い西洋料理として「カレーライス」に注目。
特に軍隊の栄養改善と士気向上のため、軍隊食としてカレーを採用しました。
この政策的な導入が、カレーの全国普及を決定づけたのです。
日本人の味覚に合わせた改良【理由その3】
イギリス式カレーも日本人には刺激が強すぎたため、さらなる改良が加えられました。
辛さを抑え、甘みを加え、とろみを強くして、日本人好みの味に調整。
この過程で、インドともイギリスとも違う「日本式カレー」が誕生したのです。
明治時代の軍隊食として発達【どうやって広まったのか?】
海軍カレーが原点【軍隊での普及1】
1870年代、日本海軍が栄養バランスと保存性を重視してカレーを正式採用。
毎週金曜日にカレーを食べることで、長期航海中の船員が曜日感覚を失わないようにする効果もありました。
この「海軍カレー」が、現在の日本カレーの原型となります。
陸軍も続いて採用【軍隊での普及2】
海軍に続き、陸軍でもカレーが導入されました。
一度に大量調理ができ、栄養価が高く、米との相性も良いため、軍隊食として理想的だったのです。
兵士たちが除隊後に故郷でカレーを作ることで、全国に普及していきました。
ルウという日本独自システム【何が革命的だったのか?】
1926年、ルウの商品化が革命を起こす【ルウシステム1】
大正時代末期、固形ルウが商品化されたことで家庭でのカレー作りが激変。
それまでは小麦粉とバターでルウを手作りする必要がありましたが、固形ルウの登場で誰でも簡単にカレーが作れるようになりました。
この利便性が、カレーを国民食へと押し上げる決定打となったのです。
戦後の食糧事情が後押し【ルウシステム2】
戦後の食糧難の時代、カレーは少ない肉と野菜でも満足感のある食事を作れる貴重な料理でした。
ルウを使えば、ジャガイモ、ニンジン、タマネギという身近な野菜だけでも美味しいカレーが完成。
この経済性と実用性が、カレーの国民食化を決定的にしました。
地域別の独自進化【さらなる多様化】
北海道のスープカレー【地域進化1】
1990年代に北海道で誕生したスープカレーは、インド風のサラサラした状態に回帰した新しいスタイル。
しかし味付けや具材は完全に日本式で、「日本のカレーがさらに進化した」形と言えます。
関西の甘口カレー文化【地域進化2】
関西地方では特に甘口のカレーが好まれ、子供向けの甘いカレールウが数多く開発されました。
この甘口志向は関西の「おいしいもん」文化と結びつき、独特の発展を遂げています。
追い打ち情報【もっと深掘りした豆知識】
世界で最もカレーを消費する国は日本【豆知識1】
驚くことに、現在世界で最もカレーを消費している国は日本です。
年間一人当たり消費量では本場インドを上回り、カレールウの年間生産量は約20万トン。
まさに「カレー大国」と呼べる状況になっています。
カレーパンも日本独自の発明【豆知識2】
1927年に東京で誕生した「カレーパン」も、実は日本独自の発明品。
パンにカレーを入れて揚げるという発想は、世界のどこにも存在しなかった斬新なアイデアでした。
現在では年間約4億個が消費される国民的食品となっています。
他国のカレー文化との比較【似たものとの違い】
タイのカレーは「ハーブ系」
タイのカレー(ゲーン)は、レモングラスやガランガルなどのハーブが中心。
ココナッツミルクベースで、日本のカレーとは全く異なる味わいです。
イギリスのカレーは「チキンティッカマサラ」が主流【元祖の現在】
日本にカレーを伝えたイギリスでは、現在「チキンティッカマサラ」が国民的カレー。
これもインド系移民が作り出した「イギリス風インド料理」で、やはり独自進化を遂げています。
まとめ【話したくなる一言】
日本のカレーは、インドから直接ではなくイギリス経由で伝わり、明治政府の軍隊食として採用され、ルウという革命的システムで国民食になった、世界でも類を見ない「独自進化食品」でした。
もはやインド料理ではなく、完全に日本料理と言っても過言ではない変化を遂げています。
次にカレーを食べる時に、「日本のカレーってインドじゃなくてイギリス経由なんだよ!しかも明治の軍隊食から始まったんだって」って友達に教えてあげてください。
きっと「え、そんな複雑なルートだったの?」って驚かれること間違いなしです。
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