コップにジュースを注いで氷を入れると、氷がぷかぷか浮いてますよね。
当たり前すぎて「なんで?」って考えたことないかもしれませんが、実はこれ、すごく不思議なことなんです。
だって、氷も水も同じ水からできてるのに、なんで氷の方が軽いんでしょう?
今回は、この身近すぎる謎を一緒に解き明かしていきましょう!
そもそも、なんで浮いたり沈んだりするの?
まずは、物が浮く理由から考えてみましょう。
お風呂におもちゃを浮かべたり、プールで浮き輪を使ったりしたことありますよね。
物が浮くかどうかは「密度」で決まります。
密度っていうのは、同じ大きさの中にどのくらい重いものが詰まっているかのことです。
密度が水より軽ければ浮くし、重ければ沈みます。
つまり、氷が水に浮くのは「氷の密度が水より軽いから」なんです。
でも、ここで疑問がわいてきませんか?
氷も水も同じ水なのに、なんで氷の方が軽くなっちゃうんでしょう?
氷が軽くなる意外な理由
理由:氷になると「隙間だらけ」になるから
水が氷になると、なんと体積が約1.1倍に増えるんです。
同じ重さなのに大きくなるってことは、密度が軽くなるってことですよね。
これを身近な例で説明してみましょう。
本棚に本を入れることを想像してください。
液体の水の状態:本をバラバラに、隙間なくぎゅうぎゅうに詰め込んだ状態
氷の状態:本をきちんと整理して並べたけど、間に隙間がたくさんできちゃった状態
整理した方が隙間ができて、同じ本の数なのに本棚が大きく必要になりますよね。
氷も同じで、水の分子がきちんと並ぼうとすると、隙間がたくさんできて体積が大きくなっちゃうんです。
水分子の「手つなぎ」が原因
もう少し詳しく説明すると、水の分子は「手をつなぐ」のが得意なんです。
これを「水素結合」って言います。
液体の水:みんなで手をつないでるけど、グチャグチャに絡まってる状態
氷:みんなできちんと手をつないで、規則正しく並んだ状態(でも隙間だらけ)
氷になると、水の分子が4つずつ手をつないできちんと並ぶんですが、その並び方が隙間の多い形になっちゃうんです。
だから、液体の水よりも軽くなるんですね。
他の物質だったらどうなるの?
実は、「固体の方が液体より軽い」っていうのは、水だけの特別な性質なんです。
他のほとんどの物質は、固体になると液体より重くなります。
例えば
- ろうそく:固まったろうは溶けたろうの中に沈みます
- 金属:固まった金属は溶けた金属の中に沈みます
- 油:固まった油は液体の油の中に沈みます
つまり、氷が水に浮くのは、世界でもとっても珍しい現象なんです。
水って、本当に特別な物質なんですね。
世界各国ではどうなの?北極や南極でも同じ
もちろん、世界中どこでも氷は水に浮きます。
北極の氷も、南極の氷も、全部水の上に浮いてるんです。
でも、もし氷が水より重かったらどうなると思いますか?
冬の池や湖で、表面が凍っても底の方に魚がいますよね。
これは、氷が軽くて表面に浮くからなんです。もし氷が重くて沈んじゃったら、池全体が下から凍っていって、魚は生きていけなくなっちゃいます。
つまり、水のこの特別な性質のおかげで、たくさんの生き物が生きていけるんですね。
関連する面白い豆知識
豆知識1:ペットボトルが破裂する理由
冷凍庫にペットボトルの水を入れて凍らせると、容器が膨らんだり破裂したりしますよね。
これは、水が氷になるときに体積が大きくなるからなんです。
約1.1倍に膨らむので、密閉された容器だと破裂しちゃうんですね。
豆知識2:氷山の「隠れた部分」
「氷山の一角」って言葉がありますよね。
氷山は水に浮いてるんですが、見えてる部分は全体の約1割だけ。
残りの9割は水の中に隠れているんです。
これも、氷の密度が水の約0.9倍だからなんですよ。
豆知識3:4℃の水が一番重い
実は、水は4℃のときが一番密度が高くて重いんです。
だから、冬の池の底の方は4℃の水がたまっています。
魚たちは、この一番暖かい場所で冬を越しているんですね。
まとめ
氷が水に浮く理由、なるほどって感じですよね!
簡単にまとめると、水が氷になるときに分子がきちんと並んで隙間だらけの構造になるので、体積が大きくなって密度が軽くなるんでした。
そして、これは水だけの特別な性質で、他の物質では起こらない珍しい現象だったんですね。
次にコップの氷を見るときは、「この氷が浮いてるのは、水の特別な性質のおかげなんだな。そして、この性質があるから魚も生きていけるんだな」って思い出してみてください。
身近すぎて当たり前だと思っていたことにも、こんなに深い理由があるって、ちょっと感動的ですよね!