韓国映画「さまよう刃」は多くの人から胸糞悪い映画として評価されています。
そんな韓国映画「さまよう刃」は、2014年にイ・ジョンホ監督によって日本版がリメイクされ、公開されました。
今回は韓国映画「さまよう刃」が実話をベースにした映画なのか、また日本映画やドラマとの違いについて、実際に見た感想を含めて紹介します。
「さまよう刃」韓国映画は胸糞悪いが、実話ではありません
🎬”さまよう刃”🌿
— はるはるばば🌿 (@SyakeUrt) January 6, 2023
シングルファザーの娘中学生スジンがレイプされ殺された。呆然とする父に犯人を知らせるメールが来る復讐劇🌟東野圭吾原作寺尾聰主演のリメイク普通のサラリーマンが殺人者に変貌していくチョンジェヨン🌸✖️イソンミン🌺✖️イジェスン🌼娘の幻と会話シーンには😭全力父と刑事の絆😳 pic.twitter.com/kgBQ7Em8D9
「さまよう刃」は子どもを持つ親だけでなく、人として、やってられない…見ていて悔しくなるほど、胸糞悪い映画のひとつです。
少年法、少年犯罪がテーマの重い内容で、加害者の親たちの弁明だけでなく、加害者の少年たちのその後の将来が安泰だと思うと、余計に胸糞悪くなって、どうしようもない映画です。
「さまよう刃」は実話をベースにした映画と思われがちですが、実話ではありません。
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韓国映画「さまよう刃」の原作は東野圭吾による長編小説で、『週刊朝日』にて連載されていました。
東野圭吾による原作は、150万部を超す大ベストセラーとなっていて、韓国でも映画が公開されてからの最終累計観客数は989,593人だったと言われています。
「さまよう刃」韓国映画・日本映画・ドラマとの違いは?
韓国映画「さまよう刃」、邦画「さまよう刃」、そして日本のドラマ版「さまよう刃」をすべてみてみると、韓国映画「さまよう刃」が一番スリリングで韓国の作品らしく感情を強く表に出した描写になっています。
韓国映画「さまよう刃」のイ・ジョンホ監督は完全なる実話だと思って映画を製作したというように、日本映画・ドラマよりも描写がスリリングで、より重い内容に仕上がっていると感じました。
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日本の映画版では寺尾聰さん、ドラマ版では竹野内豊さんが父親役で、いずれも静かな中にも次第に激しい感情になっていくのを描いているように感じました。
一方で、韓国映画では湧き上がる感情による行動を、しっかり前面に描いているように感じます。
「さまよう刃」韓国映画の主なキャスト
イ・サンヒョン役/ チョン・ジェヨン
韓国の俳優、1970年生まれ
主な出演作品
韓国ドラマ
韓国映画
チャン・オクグァン刑事役/イ・ソンミン
韓国の俳優、1968年生まれ
主な出演作品
韓国ドラマ
- 記憶~愛する人へ~
- マネーゲーム
- 未成年裁判
- 刑事ロク 最後の心理戦
- 財閥家の末息子
韓国映画
- MR.ZOO:消えたVI
- 第8日の夜
- 奇跡
- リメンバー
- 対外秘
パク・ヒョンス刑事役/ソ・ジェニョン
韓国の俳優、1987年生まれ
主な出演作品
韓国ドラマ
- スーパーダディヨル
- 甘い誘惑(リボーン)
- 約束
- もう一人のオ・ヘヨン
- ビューティフル・マインド
韓国映画
- クォン・ボブ:チャイナタウン
- スピード
- 新天皇のために
- カメリア
- 長い日
イ・スジン役/イ・スビン
韓国の女優、1996年生まれ
主な出演作品
韓国ドラマ
- 最終兵器アリス
- 火の鳥 2020
韓国映画
- 子供
- 始動
- 魂息
- 西部戦線1953
ヤン・テソム-役/キム・デミョン
韓国の俳優、1980年生まれ
主な出演作品
韓国ドラマ
- ミセン
- 赤い月
- サウンド・オブ・ハート
- 賢い医師生活
- 賢い医師生活2
韓国映画
- ゴールデンスランバー
- 麻薬王
- 連鎖
- 国際捜査!
- 汚れたお金に手を触れないで
「さまよう刃」韓国映画のあらすじ
主人公のサンヒョクは縫製工場に働いている係長(日本版では建築士)で、癌で数年前に妻を亡くし、男手一つで15歳の娘を育ててきました。
最近は、仕事場で納期が迫っているので残業が続いていて、娘との約束の反故にしがちで、娘も反抗期で、その日の朝も、けんかをしたままになってしまいました。
ある日の夜、その日もサンヒョクは残業で家に帰るのが遅かったのですが、娘は学校の帰りに雨の中歩いていて、道を徘徊している車に連れ去られてしまいました。
あくる日、警察から娘は連れ去られた後、薬を飲まされ犯されて、廃墟になった浴場で死体となって発見されたとサンヒョクに連絡がありました。
俄に信じられず「何かの間違いだ」と思いましたが、娘の死体を確認後、悲しみのあまり警察の玄関に座り込んで、なかなか家に帰ることが出来ませんでした。
刑事の一人がサンヒョクに声をかけても、呆然としていて最低限の返事で答えるのがやっとでした。
そんな中、彼に何者かからのメールが来て、犯人の名前と場所をお知らせてきました。
少年法では重罪を犯した犯人でも大人と違って構成させる意味でも、何年か経てば社会に戻ってきます。
しかし、中には再犯を繰り返すこともあるそうです。この彼はそんな難しいことではなく、娘を弔うために関係者を二人殺しました。
詳しく言うと、何者かから送ってきたメールで、犯人を探しあて、たどり着いたアパートと風俗店で関係者を殺し、そこにあった鉄砲を盗み犯人を追います。
そこに、警察官が立ちはだかって、父親にこれ以上の犯罪を起こさせないようにしますが、再び街中で犯人が来るという情報を得て、犯人に向かって銃口を向けます。
その時、刑事が放った一発の銃でサンヒョクが倒れてしまいます。
この作品を観て、自分の身内が殺されるとか加害者になっている場合、自分ならどうするかということを改めて考えさせられました。
「さまよう刃」韓国映画のネタバレ含む感想
韓国映画は性犯罪を扱った作品が多いような気がしますが、調べてみると実際このような事件が多いとか。
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サンヒョクは、数年前に妻を癌で失くし、残された娘を男手ひとつで育ててきたので娘を失った悲しみは、相当深かったと思います。
また、サンヒョクは人を殺してはいけないということも分かっていたと思いますが、法律上、少年法は刑罰を与えるのが目的ではなく更生が目的なので一定の期間を経ると、社会にまた出てきます。
どこの国でもそうですが、中には反省の色も見せず、再犯する者も多いと聞きます。
サンヒョクは、現行の法律の不備を訴えたくて、再犯を防ぐためもあり、娘の弔いの意味もあって犯人を追って銃で恐怖を与えるという行動に出たのだと思います。
同じ子を持つ親として、そこまでは自分ができないと思いますが、悲しい気持ちはとても分かります。
昔、「人間・失格〜たとえばぼくが死んだら」というドラマがあって、堂本剛の主演ドラマでした。
主人公の少年は、いじめ、教師による体罰にあい自殺するのですが、父親(役:赤井英和)が犯人を殺すという結末でした。
似たような事件が実際にあって、脚本家の野島伸司がこれをヒントに作品にしました。
とてもインパクトのある内容でしたが、同級生役のいじめる側が堂本光一ということで、話題になりました。
韓国映画「さまよう刃」を見ていて、そのドラマをふと思い出しました。
最後に、主役を除いて、一番良かったのは年配の刑事で、初めは犯罪被害者にいろんな意味で我慢することを強いて来たと言っていました。
しかし、最後の場面で「サンヒョクが犯罪を重ねることを防ぎたい。」という気持ちがとても現れていました。
残念ながら、他の刑事が放った一発でサンヒョクはなくなりましたが、犯人の服をずっと待って亡くなりました。
犯人は、自分の服を死んでも離さないサンヒョクにとても怯えていましたが、その恐怖を一生忘れないで、再犯しないでほしいと思いました。
「さまよう刃」は胸糞悪い!実話なの?まとめ
温厚な父親が娘を失った悲しみと怒りの末に、だんだんと怒りがこみ上げてきて、殺人を犯してしまうところは、理不尽に子どもを失った親であれば誰でも悲しみは理解できます。
この作品は日本版と韓国版があって、両方を比べて見ると、日本人と韓国人の違いや犯罪に対する価値観、さまざまな違いを感じられると思いました。
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例えば、韓国版はペンションの親子は出てきませんし、犯行に使われた猟銃も、犯人の居所を探して立ち寄った風俗店の店主から奪い取る設定になっているなど、違う箇所がいくつかあります。
違いを確認しながら見比べてみるのも違った楽しみになるかもしれません。
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