日本映画「ミンナのウタ」は2023年公開、ジャパニーズホラーの巨匠・清水崇監督の作品です。
GENERATIONSが本人役で出演をしている独特の設定がみどころのひとつです。
日本映画「ミンナのウタ」はある少女の怨念が引き起こすパニックホラー作品。
今回は「ミンナのウタ」映画が公開されると早々に映画館でみた独自考察を含めて、あらすじ・ネタバレ含む感想、キャストについても紹介します。
「ミンナのウタ」映画が怖すぎ!あらすじ
GENERATIONSのラジオ番組に、リスナーから「カセットテープ届いた?」という、途切れ途切れの声でメッセージが届きました。
司会の小森隼は、カセットテープに心当たりはなく、上手くリスナーを交わしますが、その後から、とあるウタに怯えるようになり、その日の夜に姿を消しました。
ライブを控えていたGENERATIONSは、小森を探すために、マネージャーの凛が、元警察官の探偵権田を雇います。
小森失踪の話をメンバーに聞いていく権田でしたが、メンバーの1人佐野は、急にあるメロディーを口ずさみ、声をかけても上の空でおかしな状態になります。
白濱は権田を信用していませんでしたが、次々に降りかかる怪異に、次第に恐怖を覚えて、権田ととあるカセットテープが元凶ではないかという事に気が付きます。
「ミンナのウタ」映画が怖すぎ!ネタバレ含む感想
カセットテープは30年前に、高谷サナという少女からラジオ番組宛に送られたものでした。
小森はこのカセットテープに関わってしまい怪異に見舞われたようでした。
メンバーの一部は、封筒にあった住所に向かいますが、空き家でした。
周囲の家の人に、高谷の名前を出すだけで嫌がられる異様な状態に、白濱や関口は困り果てます。
中務は、空き家の階段に座る少年を見て家に入ってしまいます。
家の中では妊娠中の母親が高谷サナを呼ぶ行動を繰り返しており、サナの部屋の前には不自然に掃除機のコードが伸びています。
何度も同じセリフを繰り返す母親は、次第に声が歪み、中務に襲いかかります。
高谷サナの異様さに気づいた白濱たち、実は高谷サナは権田の同級生でした。
手がかりを探しに高谷サナが通っていた中学を訪れる権田たち。
卒業アルバムには、ミンナの魂の声を聞いて、私の世界に引き込みたいというサナの願いが書いてありました。
歌を作るのが好きだったサナは、いつも首からレコーダーをぶら下げた変わった子でした。
サナが在学中に、別の同級生が飛び降りをしたことがあり、サナはその事に関わっていました。
当時の教師は、高谷サナの異常性に気がついており、いじめを自演したり、魂の声と言い動物や人の断末魔の声を集めてカセットテープに入れて集めていました。
ある日、サナから助けを求められ家に行くとサナは死亡しており、両親が近くで放心していました。
サナの生い立ちについて聞いた凛は、寄り添う事は出来ないかと言います。
「ミンナのウタ」映画が怖すぎ!みどころと考察
サナについて調査をしている間に、GENERATIONSの白濱以外のメンバーは、次々と怪異に見舞われ行方不明になります。
白濱、凛、権田は、サナが住んでいた廃屋へメンバーを取り返すために向かいました。
廃屋では時代が遡り、今まさにサナが両親から殺されそうになっていました。
凛は耐えられずにサナにかけより抱きかかえますが、サナは自分を心配してくれた凛を見て笑いながら息絶えました。
サナが息絶えた事で、居なくなったメンバーたちは現実世界に戻り、凛も目を覚まします。
GENERATIONSは、無事にライブを行う事ができますが、凛の首にはサナが持っていたレコーダーがぶら下がっており、ライブ会場にあの歌が流れ始めるのでした。
清水崇監督の作品は見た側の考察が必要な作品がほとんどです。
「ミンナのウタ」も同様に、結末までハッキリ書かれずに終わりました。
ホラー作品としては高谷サナのビジュアルやホラー要素は満載で、トラウマになりそうな描写は多々あります。
また清水監督らしい演出として高谷サナの生まれるはずだった弟の名前が「としお」、布団の中に潜むサナ、片寄の背中に這う手に加え、高谷家が呪怨の家に似ており、清水ファンは喜んだことでしょう。
もしかしたら、呪いが伝播していく呪怨との繋がりがあるのかもと考えました。
一方、30年前に生きていたサナは、どうして今になってGENERATIONSのラジオ番組に目をつけたのか疑問でした。
サナ自体は平成5年の時点でラジオにカセットテープを送っていました。
それを見つけたのはADアスカでした。
アスカは小森に「ここを片付けとけって言われて、全部捨てろと言われた」と言いました。
さて、これは誰に言われたのか明らかになっていません。
この後の描写で、ラジオのお便りに「カセットテープが届いた?」とサナと小森がやりとりをします。
小森はここで、サナに引き込まれ、収録後に倉庫に戻ります。
そこには鼻歌を歌うアスカがいましたが、声をかけるとアスカは消えカセットテープが地面に落ちます。
そして後ろから、アスカが現れて小森は驚きます。
この場面と、関口にしがみつく男の子が、サナの顔に変わる場面から、サナが姿を自在に変えられる事が分かりますね。
サナの願いは、魂の声を集め、みんなを私の世界に引き込むこと。
私の世界に引き込むにはサナの事を考える必要があります。
中務が関口に「考えるな、引き込まれるぞ」と言ったのは大きなヒントですね。
あのメロディーとサナ自身の姿を結びつける事により怪異を引き起こします。
サナは虐めを自演したり、自分を傷つけてでも、自分に同情してくれる人に執着していました。
生前だと担任の先生ですが、サナが首をつって死ぬ時には、先生はサナの死後に家に駆けつけたため先生が自分を心配する姿は見ることができませんでした。
そしてサナは死後にも、自分に同情し寄り添ってくれる人を求めていたのではと思います。
その対象となったのは凛でした。
凛は物語冒頭からGENERATIONSをより理解し、小森のために権田を呼ぶなど世話焼きな性格でした。
サナが初めから凛を狙っていたのだとしたら、関口が机の下でみたサナは白濱についていたわけでなく白濱の隣りにいた凛についていたのではないでしょうか?
また中務が「ここ13階?」と聞いた時にも側には凛がいました。
凛だけにサナが見えた事も納得できます。
サナは凛を取り込むために、ADアスカやGENERATIONSを利用し、凛を自宅に呼び込んだのだと思います。
そして、サナが息絶える瞬間、凛はサナを抱きかかえ一緒に階段から落ちました。
最後のサナの笑顔は、凛への感謝ではなく、先生はしてくれなかった自分への同情の気持ちが見れた事による喜びでした。
本当に邪悪しかない子ですが、凛はサナに選ばれました。
サナは凛を操りながら、これからも魂の声を集め続けるのではないでしょうか?
最後に権田はどうなったのか?
権田の家族は、高谷家と深刻さは違えど、よく似た家庭でした。
父親である権田は、学生時代サナの同級生でした。
権田家では、父親は娘に向き合わず、母親ばかりが焦っていました。
おそらく権田家は、家族の軋轢がサナを呼び寄せたのだと思います。
ホテルで電話越しに鼻歌が聞こえた事がその証拠です。
もうサナにより、権田家は全滅したかもしれませんが、こちらはこちらで違う結末を辿ったのでしょうね。
「ミンナのウタ」の主なキャスト
GENERATIONS(本人役)/白濱亜嵐
1993年8月4日 生まれ、愛媛県出身
GENERATIONS(本人役)/片寄涼太
1994年8月29日 生まれ、大阪府出身
GENERATIONS(本人役)/関口メンディー
1991年1月25日 生まれ、アメリカ合衆国出身
GENERATIONS(本人役)/中務裕太
1993年1月7日 生まれ、大阪府出身
GENERATIONS(本人役)/小森隼
1995年6月13日 生まれ、三重県出身
GENERATIONS(本人役)/佐野玲於
1996年1月8日 生まれ、東京都出身
GENERATIONS(本人役)/数原龍友
1992年12月28日 生まれ、兵庫県出身
凛役/早見あかり
女優、1995年3月17日 生まれ、東京都出身
主な出演作品
日本ドラマ
- マッサン
- ラーメン大好き小泉さん
日本映画
- 銀魂
- シン・ウルトラマン
権田役/マキタスポーツ
俳優、1970年1月25日 生まれ、山梨県出身
主な出演作品
日本ドラマ
- みんな!エスパーだよ!
- 闇金ウシジマくん
- 恋せぬふたり
日本映画
- 苦役列車
- 前科者
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