韓国映画「チェイサー」は2008年にナ・ホンジン監督の作品です。
韓国では観客動員数が500万人を超えるヒット作となり、2008年大鐘賞(韓国のアカデミー賞)主要6部門の他、大韓民国映画大賞を受賞しました。第61回カンヌ国際映画祭の特別招待作品でもあります。
今回は韓国映画「チェイサー」が実話をモチーフにしたもので、そのモチーフにした実際の事件、キャスト、あらすじ、ネタバレ含む感想、見どころについて紹介していきます。
また、あのレオナルド・ディカプリオがリメイク権を獲得したという話についても触れていきます。
「チェイサー」映画は実話!実際の事件は?
韓国映画「チェイサー」は、2003年9月から2004年7月に韓国ソウルで起こったユ・ヨンチョルによる20人連続殺人事件を元にした実話モチーフの映画です。
ユ・ヨンチョルは21人の殺害で起訴されましたが、彼の供述によると実際の犠牲者は更に多いとか。
ユ・ヨンチョルは2005年6月に死刑が確定しています。
「チェイサー」はディカプリオがリメイク権を獲得し演じたい!
韓国映画「チェイサー」は、韓国映画「オールドボーイ」や韓国映画「悪魔を見た」に並び、韓国映画界でしか作り出せないようなパワフルさやノワール感はすごいとしかいいようのない作品です。
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そんな韓国映画「チェイサー」をハリウッド映画でリメイクしたいと考えて、レオナルド・ディカプリオがリメイク権を獲得したとか。
個人的には、レオナルド・ディカプリオが韓国映画「チェイサー」をリメイクしたところで、みる側が満足いく作品になるとは思えない。そこはやはりレオナルド・ディカプリオが演じるからなのか、韓国映画界のなせる業なのかということだろう。
いずれにせよ、リメイク権を獲得してまで、レオナルド・ディカプリオがハリウッドでリメイク版を作りたいと思ったほど、韓国映画「チェイサー」はすっさまじい作品というわけです。
「チェイサー」映画は実話!キャスト
オム・ジュンホ役/キム・ユンソク
韓国の俳優、1968年生まれ
主な出演作品
韓国ドラマ
- 愛と魂
- ラブホリック
- 復活
- 人生よ、ありがとう
- 妻の復讐~騙されて捨てられて~
韓国映画
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チ・ヨンミン役/ハ・ジョンウ
韓国の俳優、1964年生まれ
主な出演作品
韓国ドラマ
- 武人時代
- プラハの恋人
- H.I.T. -女性特別捜査官
- アントラージュ
- ナルコの神
韓国映画
キム・ミジン役/ソ・ヨンヒ
韓国の女優、1979年生まれ
主な出演作品
韓国ドラマ
- 秘密の女たち
- トラップ〜最も残酷な愛~
- 緑豆の花
- 朝鮮駆魔師
- コーヒーを飲みましょうか?
韓国映画
ユ・ウンジ役/キム・ユジョン
韓国の女優、1999年生まれ
主な出演作品
韓国ドラマ
- ラブリー・アラン
- 雲が描いた月明り
- とにかくアツく掃除しろ! 〜恋した彼は潔癖王子!?〜
- コンビニのセッピョル
- ホンチョンギ
韓国映画
- 殺人の輪廻
- 大好きだから
- ゴールデンスランバー
- 第8日の夜
- 20世紀のキミ
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オジョ役/ク・ボヌン
韓国の俳優、1974年生まれ
主な出演作品
韓国ドラマ
- 昏睡 -こんすい-
- 君の歌を聞かせて
- オー!サムグァンヴィラ!
- ドラマスペシャル 泥棒睡眠
韓国映画
「チェイサー」映画は実話!あらすじ
元刑事のオム・ジュンホ(キム・ユンソク)が経営するデリバリーヘルスで、ヘルス嬢が次々と失踪するという事件が起きました。
ジュンホは、彼女たちが失踪したと思い、渡した高額な手付金を取り戻すため捜索を始めます。
そして、その夜の客の電話番号と、失踪したデリヘル嬢たちが、最後に仕事をした相手が一致していることが判明しました。
ジュンホは単身ヨンミン(ハ・ジョンウ)の自宅へ向かうミジンのもとへ急ぎました。
ジュンホは、ヨンミンの携帯番号を調べ、携帯番号が失踪した女性達の最後の依頼先だと気づき、ミジンに気をつけるよう言い、刑事に捜査協力を依頼します。
ミジンが男の家につくと、男は彼女を襲い古びた浴室で、彼女の頭をノミと金槌で数回打ちます。
ジュンホが彼の家の周りを捜索しているとき、偶然、ヨンミンの車と接触事故になり声をかけると逃亡したので、ジュンホは彼を追いかけました。
ジュンホはヨンミンを追いかけ、数回殴りジュンホは暴行罪で警察に捕まりますが、事情を説明しても警察は取り合ってくれませんでした。
その男を調べると「女性を監禁し、殺した」とあっさり告白し、それに驚いた警察は男を尋問します。
しかし、警察は証拠不十分のためすぐに釈放してしまいました。
一方、ミジンは怪我の痛みに耐ながら、浴室から出て窓から逃走します。
ジュンホはミジンが生きていることを知り、徹底的に探しますが、見当たらず、刑事時代の友人に頼み、男が埋めた死体の場所を探します。
警察は見当違いの場所を探していて、それどころか乱入するジュンホを逮捕し、警察車両に乗せます。
ジュンホは車両の中で暴れ、外に出ると、ミジンを探しに行きます。
男は家に戻ると、ミジンがいないことに気づき、それに怒り、怪我をしたミジンが、逃げ込んだ商店に入り匿ってもらいます。
その時、男も商店に入り、男にその商店の女主人がミジンはここにいると言い、ヨンミンは、女主人も奥の部屋に横たわっていたミジンも、なぐり殺してしまいます。
しばらくして、ジュンホは、ついに男の家を1人で探し当て、家に帰ってきたその男と対峙し、彼と殴り合いをします。
ジュンホは男を殺そうとしますが、警察が到着し、ヨンミンを殺すのを警察に止められます。
ヨンミンは逮捕され、男の家の庭では、大量のデリヘル嬢の死体が発見されます。
ジュンホが、病院に入院中のミジンの娘のそばにいるシーンでラストとなりますが、まるでジュンホがミジンの娘を引き取って育てるのかも…と思わせる終わり方でした。
「チェイサー」映画は実話!ネタバレ含む感想
韓国映画「チェイサー」は実話をベースにしています。
実際の事件は20人もの連続殺人事件というもので、国内でも最高のレベルの殺人事件だったかもしれません。
実際にこの犯人のことを調べてみると、父親が戦争から帰還した人物で、家族にも虐待をしていたとか。
虐待をすることで、即、子どもが犯罪者になるわけではありませんが、 そうなる要因として虐待が影響することは大きいとは思います。
つくづく考えると、父親も戦争の犠牲者であることは間違いなく、子育てはとても大変なことで、どんな理由があれ、親の生き方も問われることになると思いました。
最後までほとんど救いのない映画で、まさに韓国ノワールの代表作でした。
そんな中でも唯一、ジュンホがミジンの娘を育てていきそうな感じがして、それが救いになって良かったです。
「チェイサー」映画は実話!みどころ
初め見た時に、元警察官がデリヘルの元締めをするというのは何だろうと思ったし、犯人を追いかける動機が女性達から手付金を戻すためで呆れました。
しかし、デリヘル嬢の7歳の娘にあった頃から、少しずつ主人公の考えが変わってきたように思います。
犯人を追いながら殴る蹴るという暴力はちょっと引きましたが、どこまでも正義を貫き通すジュンホの姿はとても勇敢に思えました。
韓国映画「チェイサー」の見どころはジュンホの初めの気持ちと終わりの気持ち、極悪な犯人と正義感の強いジュンホ、軟弱な警察と主人公の勇敢さ、そこを見比べて視ると、とても面白いと思います。
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