台湾ドラマ「あの日を乗り越えて(那年,雨不停國)」は2009年の8月に台湾で起きた大規模な水害「八八水害」をモチーフに作られました。
今回は「あの日を乗り越えて」のキャスト、あらすじ、ネタバレ含む感想、みどころを紹介します。
「あの日を乗り越えて」の主なキャスト
林雨菁(リン・ユージン)役/簡嫚書(ジエン・マンシュー)
1988年生まれ、台湾、女優
主な出演作品
ドラマ(台湾)
- シュガーケーキガーデン
- 愛情急整室~Love Sos~
- お仕事です!
ドラマ(中国)
- 台湾往事~The Bittersweet Taiwan~
日中共同制作映画
- ママは日本へ嫁に行っちゃダメというけれど など
張福海(チャン・フーハイ)役/張書豪(ブライアン・チャン)
1988年生まれ、台湾、俳優
主な出演作品
ドラマ(台湾)
- 惡男日記~Bad Boys’ Diary~
- 長不大的爸爸~Baby Daddy~
- お仕事です!
ドラマ(中国)
- 台湾往事~The Bittersweet Taiwan~
台湾映画
- 一八九五
- 有一天~One Day~
- 百日告別~Zinnia Flower~
- 悲しみより、もっと悲しい物語
- 跟老婆去旅行~A Trip With Your Wife~ など
「あの日を乗り越えて」あらすじ
女子高生が目を瞑って、フラフラと自転車で、道路を走っている。
彼女は、わざと危険に身を委ねている。八百屋にいるのは、その家の息子の張福海。
彼は、熱心にサックスの練習を続けていたが、突然強い雨が降ってきた。
女子高生の彼女は、突然の雨に慌てて、何かをバッグから取り出そうとしてバランスを崩し、八百屋の店先に自転車ごと突っ込んでしまった。
それを見た福海は助けようとしたが、彼女は急いでバッグから、ヘッドホンを取り出してつけ、安堵するような表情を見せた。
高校の管楽器部に所属している福海。
新学期の部活勧誘で、管楽器部の顧問がサックスを演奏するのを見つめる彼女。
福海が「興味があるの?」と声をかけたら、その子は自分の家の八百屋に、自転車で突っ込んできた子だった。
彼女は林雨菁。
水害で、一夜にして家と家族を失い、叔父夫婦の家で暮らし始めた転校生。
彼女は、人生に絶望していた。
「あの日を乗り越えて」見どころ
雨菁の父親が注文していた、マウスピースが家に届く。
彼は、死者を弔う楽団でサックスを演奏していて、死者に最高の演奏を聞かせたいと考えていた。
彼女の叔父は、彼女に「お前は俺の娘も同然だ。一人で抱え込まずに、何でも話しなさい。分かったな?」と言い聞かせる。
福海は、父親と祖母を恋しがる雨菁を、周明晃(ジョウ・ミンホァン/福海の部活の仲間)の従兄弟に会わせる。
霊感の強い従兄弟は、彼女に穏やかに話し始める。
「キミは、お父さんにサックスを教わったね?サックスに真面目に向き合えば、いつかお父さんとおばあさんは、キミの前に現れる。」
雨菁は、突然の母親の出現に動揺する。
母親は、彼女が手にした被災者の見舞金が、目当てだった。
記者が学校に来て、管楽器部改めジャズ団の顧問に取材をしていたが、入部していた雨菁の事を知りたがる。
福海は、彼女が立ち直れたらと、彼女の事情を記者に話し、それは記事になってしまう。
福海に激怒した雨菁だったが、仲直りした彼と一緒に、高雄(ガオション/台湾南部の地名)に向かう。
周囲の様子が変わり始め、戸惑いながら歩く福海に「ここが、私の故郷。」と告げる雨菁。
そこには、ただどこまでも瓦礫と石があるのみ。
福海は、この惨状を見て、彼女を救おうとしていた自分が、いかに思い上がっていたかを知る。
彼は「俺なら、とても耐えられない。」と、涙を流す。
雨菁と暮らすと決めた母親は、電車で彼女を迎えに来るが、彼女を見て様々な思いが胸をよぎり、下車できなかった。
福海は、雨菁が母親に買ってもらった、サックスのストラップを、海に投げ捨てたのを見て、とっさに海に飛び込む。
彼は、ストラップを見つけたが、波にのみこまれてしまう。
病院の病室。意識が戻らない福海。
雨菁は、雨の中でずぶ濡れになりながら、彼の為に心をこめて、サックスを吹く。
父親と祖母が笑顔で、彼女を見守っている。
ジャズ団の部員も駆けつけ皆で演奏し、福海は意識を取り戻す。
「あの日を乗り越えて」ネタバレ含む感想
2009年の8月、台湾で大規模な水害が起こりました。「八八水害」です。
このドラマは「八八水害」をモチーフに作られました。
大切な人を失って、癒されたい方に観て欲しい作品です。
ただ、災害に合われた経験のある方には、辛いシーンもあります。
雨菁は、水の音や雨音に恐怖を感じ、聞くことができないくらい、深く傷ついている。
他人にはわからない苦しみ。
彼女は、携帯ショップに父親の携帯を解約しに行くが、その場で解約が出来ず、内心ホッとして父親に電話をかける。
留守電メッセージの父親の声を聞きながら「父さんにまださよならは言えない、まだ声を聞いていたいの。」と道端で座り込んで泣いてしまう。
彼女の叔父だって、兄のこの声を聞いた途端、号泣した。
彼女は、心の持っていきようがない。
雨菁は明晃に「歌手のサイン会に行きたくて、自分だけ村を離れてる間に、家族が災害で亡くなった。自分が許せない。」と打ち明ける。
明晃の両親は、息子を助けようとして亡くなっていた。
親なら、子供を助けるだろうけど、やはり残された彼は苦しいよね。
疎外感があって、叔父一家と食事できなかった雨菁が、初めて食卓についた時。
叔母は、手作りの湯圓をお義兄さんとお義母さんも食べたいだろうと、2人の分もお椀によそう。
(湯圓(タンユェン)は、日本の白玉団子のような、お団子。中には、あんこが入っています。)
叔母の優しさだよ。
雨菁には、もう少し叔父夫婦の気持ちに、応えてほしかったな。
彼らも、大変だったと思うんです。
雨菁の母親は、自分の荒れた生活に、娘を巻き込む訳にはいかないと考えて、連れて帰らなかった。
いつか、迎えにいくからと手紙が来てたけど、どうかな。
福海はバイクで、雨菁と彼女の故郷へ行く。
家の跡地には、彼が植えたのであろう、ユリの花が咲き乱れている。
「お父さん達は、きっとここにいる。」と福海は雨菁に優しく話す。
雨菁役の簡嫚書が、初々しくてかわいかったです。
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